為替経済Weekly
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抑制されたインフレ
先週、インドネシア中銀は今月の政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。先月来、中銀総裁自ら、インフレ率がターゲットの範囲内に抑制できていることを理由に利上.....
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中所得国の罠
先週、インドネシア金融庁(OJK)の年次総会で、ジョコウィ大統領のスピーチを聞く機会があった。いつもながら、低音の効いた落ち着いた声、気の利いた冗談、なるほど.....
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ファイト・ザ・フェド
先週、米連邦準備理事会(FRB)が0・25%の利上げを決めた。引き上げ幅はついに最小単位に縮小した格好だ。昨年3月に始まった利上げは、4回連続0・75%の大幅.....
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懸念強まる輸入手続き規制
2023年の新たな年を迎え、今年こそとコロナ禍からの回復に各社が走り出す中、残念ながら1月1日以降、鉄鋼や樹脂などの複数の製品分野で輸入許可手続きが止まってい.....
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リーダーシップ・スタイル
年末年始を挟んで、幾つかのメディアやリサーチ機関が発表した2023年の政治・経済見通しに目を通した。やはり今年はロシアと中国に関連する話題が目立ったが、特に両.....
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資源エネルギーの供給確保
2022年は世界の地政学的秩序が大きく揺らぎ、経済社会活動に多くの困難を与えた年となった。ロシアによるウクライナ侵攻から10カ月余りが経過した今もなお、収束に.....
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資源高の恩恵は続くか
早いもので今年も残すところあと半月余りとなった。どうやら2022年のインドネシア経済は大きな波乱もなく終えることができそうだ。グローバル経済が歴史的インフレ高.....
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為替市場のトレンド変化
為替市場の潮目が変わってきた。先週1週間で一気に円高が進み、先週金曜日時点でドル円相場は133円台をつけた。11月2週目頃からそれまでの円安トレンド修正の動き.....
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脱炭素化へ日系企業の底力
「20カ国・地域首脳会議(G20サミット)」を控えた今月11日、バリ島ではビジネスサミット(B20)などビジネス関係者による一連のイベントが開催され、筆者もバ.....
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中銀の現状認識
先週、インドネシア中銀が政策金利の引き上げを発表した。引き上げ幅は0・5%で、前回、前々回に続いて3カ月連続で同じ引き上げ幅となった。これで政策金利は5・25.....
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逆風下のスタートアップ
大手テック系企業のリストラのニュースが多く見られるようになってきた。イーロン・マスク氏が買収したツイッターは全従業員の半分にあたる3700人を解雇(レイオフ).....
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所得格差と中間層
渡航制限の緩和が進んだこともあり、インドネシアにも海外からの渡航者が増えてきているようだ。久々にまたは初めてジャカルタを訪れる出張者を案内することが増えている.....
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ビハインド・ザ・カーブ
10月もインドネシア中銀による利上げが実施された。2カ月連続となる0・5%幅の引き上げだ。8月にコロナ後で初めての利上げ(0・25%幅)に踏み切った際にはサプ.....
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ジョージの教訓を胸に
「孤独なジョージ」という異名を持つ世界一有名なカメが死んだのは、今から10年前のことだった。南米沖に浮かぶガラパゴス諸島ピンタ島。この島にはかつて無数のゾウガ.....
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マーケットの期待値
いまグローバルでの金融マーケットの最大の関心事は、インフレ抑制に向けた各国中銀の利上げがいつ終息に向かうのか、そしてそれにより深刻なリセッション(景気後退)を.....
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アジャイル・マニフェスト
英国のトラス新政権が発足後わずか1カ月足らずで混乱を巻き起こしている。新政権の公約であった大型減税案を即座に発表、直後に通貨ポンドの急落と英国債の大幅下落とい.....
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インフレの現場を歩く
9月もインドネシア中銀による政策金利の引き上げが決定された。今回の引き上げ幅は0・5%と、前月8月の引き上げ幅の倍。市場でも若干のサプライズをもって受け止めら.....
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経済発展と健康志向
「経済発展と健康志向の高まりは並行して進む」ことを実感した22年間だった。赴任は2000年5月。インドネシア駐在の希望が叶い、ポカリスエットの営業責任者として.....
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為替介入と市場の流動性
円安の流れが止まらない。ドル円相場が145円に迫る中、先週、財務省・日銀がいよいよ本格的に為替介入の姿勢を見せたことでいったん円高方向へ戻したが、円安トレンド.....
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燃料価格引き上げ
ジョコウィ政権が補助金対象の燃料価格引き上げに踏み切った。今月3日から実施された新価格は約30%の値上げとなり(比較的よく使われるガソリンのタイプであるプルタ.....
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利上げを読み解く
先月22日、インドネシア中銀が遂に政策金利の引き上げを決断した。3・5%から3・75%への引き上げで、上昇幅としては0・25%と控えめではあったが、事前の市場.....
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脱炭素化の実現に向けて
近年、カーボンニュートラルという言葉をよく耳にすると思う。簡単に言うと、地球温暖化対策として二酸化炭素など温暖化効果ガスの排出を抑え、植物などによる吸収を増や.....
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投資の量と質
今年11月に予定される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を前にジョコウィ政権の外交活動が活発化している。先月の大統領自身による訪日は、主要経済閣僚を引き.....
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想像される価値
世界的なインフレと金利引締が進む中で、金融市場ではリスクオフ・モード(リスクを回避しようとする動き)が強まっている。高止まりする資源価格を尻目に、株式、債券を.....
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コロナ禍を乗り越える日系企業の動き
昨今、新型コロナウイルスの感染者数が急増する日本では、コロナ感染の第7波の到来が指摘されている。一方、ここインドネシアでも検査での陽性率が高まっており、以前の.....
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エマージング売りの波
今月10日のフィナンシャル・タイムス紙に、2022年に入ってエマージング国の債券投資から約500億ドルもの資金が引き上げられたとの記事が出ていた。売り越しの規.....
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戦略的あいまいさ
各国中央銀行の政策金利引き上げラッシュが続いている。いよいよ東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国の中でも、利上げをしていないのはインドネシアとタイの2カ国の.....
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半導体の世界的動向
かつて電機業界は海外輸出の象徴であり、自動車と並ぶ基幹産業として戦後日本の経済成長を支えてきたというのは紛れもない事実であろう。しかし、近年、個人向け家電製品.....
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資源の呪い
先月19日、インドネシア政府よりパーム油の禁輸措置の解除が発表された。当初導入時は国内外で驚きをもって迎えられたが、価格高騰を受けた国内供給分の確保に主眼があ.....
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金融政策の逆回転
エコノミストが経済危機のリスクについて語るとき、「今回はいままでとは違う」と言うのはある種の常套句だ。すなわち、今はこれまでとは状況が違うのだから、皆が予想し.....