翻訳の大切さ、難しさ語る きたむらさんとローランドさん

 「マカッサル国際作家フェスティバル」(国際交流基金主催)にあわせ、絵本作家のきたむらさとしさんと作家のローランド・ケルツさんが初めて来イし、8日、南ジャカルタの国際交流基金ジャカルタ日本文化センターでパネルディスカッションを開いた。        

 同フェスティバルは3〜6日に南スラウェシ州マカッサルであり、国内外から招かれた作家らが文学についてワークショップなどを開いた。
 きたむらさんは絵本「ぞうのエルマー」シリーズの翻訳者として知られており、ローランドさんは日本発のポップカルチャーブームをとりあげた本「ジャパナメリカ」の作者。2人は翻訳家の柴田元幸さんが中心となって出版している日本文学を海外に紹介する英語文芸誌「モンキー・ビジネス」を紹介した。ローランドさんはモンキー・ビジネスの編集者で、きたむらさんもイラストレーターとして関わっている。
 2人は文学作品などを世界に広めることの大切さと共に、作家の村上春樹さんの作品や翻訳の仕方を例に挙げて、翻訳の難しさを説明した。良い翻訳家とは翻訳の仕事が好きで、作品にのめり込むほどの情熱的な人、との考えも示した。
 きたむらさんは「インドネシアには多様な文化があり、音楽や踊りも盛ん」と印象を述べ、「絵本や文学がどう育つかは学校や出版社の考えが大切だが、世界中の本が翻訳されて読めるようになったり、インドネシアの本が翻訳されて世界で読まれたりする可能性は十分にある。子ども向けの本も増えてほしい」と語った。
 また、手作りの紙芝居を披露。即興でさまざまなイラストを描くと、来場者からは感嘆の声があがった。マカッサルで出会ったインドネシアの人について、「構えることなく気楽な感じでとてもよかった」とも話した。
 ローランドさんはインドネシア語の美しさに注目。「私は話せないし意味はわからないが、聞いているだけで美しいと感じる。それぞれの言語を違う言語に翻訳し表現するのは難しいが、インドネシアの文学をもっと知りたい読者は多いと思う」と期待を述べた。(毛利春香、写真も)

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