帰省にアプリ活用 抜け道・緊急連絡・保険も 3200万人をサポート

 スマートフォン利用者が国民の半数と言われるインドネシア。レバラン(断食月明け大祭)を前に、政府はスマホ用ムディック(帰省)支援アプリの利用を呼びかけている。カーナビよりもスマホの地図アプリを頼りに帰省する人が多く、渋滞時のう回路案内から緊急時の連絡先、交通事故保険などを取りそろえ、約3200万人と予測される帰省客をサポートする。
 インターネット・サービス業者協会(APJII)の17年調査結果では、スマホとタブレット端末保持者は人口の半数に当たる1億3千万人で、ほとんどの人が携帯端末からインターネットを利用している。
 そんな中、交通事故防止や安全な帰省のために政府が推奨するのは、アンドロイド端末用アプリ「アヨ・ムディック(帰省しようよ)」。運輸省と情報通信省などの官公省庁と地場系スタートアップのKudoが昨年制作した。自家用車で帰省する人向けに、グーグルマップ上に帰省路と中継地点の地名案内、簡易診療所や給油所、車両修理所(ベンケル)、休憩所、礼拝所、天気予報などが表示できる。
 赤色のドロップピンで表示される地図上の地名をタップすると、経路案内アイコンが表示され、現在地から利用頻度の高いグーグルマップのナビゲーションを二輪・四輪ともに活用できる。
 日常生活にも使えそうなのは、国営高速道路管理ジャサマルガの「JMCARe」。混雑状況のプッシュ通知、交通事故時のレッカー車要請、緊急時のSOSボタン、管理する料金所付近の監視カメラ映像のリアルタイム視聴など、同社の設備をフルに活用できる。
 経路案内では、目的地を入力して車両カテゴリーを選ぶと、高速道路料金が自動計算され、所要時間の目安もわかる。料金所ボタンからは、初めてでも通り過ぎないように外観の写真を確認できる。アイフォーンにも対応し、利用にはアカウント登録が必要。
 他にも国家警察全国交通管理センター(NTMC)が「NTMCムディック」を開発したが、監視カメラ映像視聴や経路案内は使い勝手が良くない。一方で、国有保険会社アスランシ・クレディット・インドネシア(アスクリンド)は、ことし4月に発表した「digiAsk」で30日間掛け捨ての損害保険(保険額最大3千万ルピア)を3万ルピアで販売し、事故リスクの軽減を呼びかけている。
 生活の一部となったグーグルマップや混雑情報をリアルタイム投稿で共有できるナビアプリのWaze(ウェイズ)も根強い支持を受ける。ウェイズは国営石油ガス・プルタミナと連携し、帰省期間中にガソリンスタンドを表示するサービスを、8日午前7時から始めている。
 ただ、デジタル世界の各種データをまとめて発表しているウィーアーソーシャルによると、インドネシアのモバイルインターネットの平均速度は9・8Mbpsで、世界平均の21・3Mbpsを下回る低速。アプリに頼った帰省中は通信状況に注意が必要だ。(中島昭浩)

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