外食産業の進出活発化 「規制緩和進めて」 イスラム圈の「登竜門」にも

 日本の外食産業が購買力が上昇するインドネシアへの進出意欲を高めている。規制や宗教など課題は多いが、日本食は「品質が良く健康的」とみられるアドバンテージもある。巨大な人口を擁するイスラム圈の「登竜門」として成長を目指す企業には避けて通れない市場になっている。 
 
 「ジャカルタは最も成功している都市の一つだ」。吉野家HDの安部修仁会長は胸を張る。吉野家は2010年にジャカルタに進出。モールを中心に3年間で23店舗まで増やした。他国と比べて最速だという。来年末までに50店舗を目指す。
 近年、居酒屋からファミリーレストラン、ラーメン屋まで幅広く進出している。今月にはカレーチェーン大手の壱番屋が初出店。来年開業予定のイオンモールには40店舗ほど日本からレストランが入る見込みだ。
 ジャカルタ特別州観光局によると、料理別レストラン数で日本食は4位。「日本食は健康的というイメージが定着している」(現地流通幹部)。
 外食産業にとって最大の魅力は人口2億4千万人の成長市場だ。一人当たりのGDP(国内総生産)が3500ドルを超え、10年で7倍になった。出店が集中する首都ジャカルタでは1万ドルを超える。日本市場は飽和状態に近づいており、「成長を求めるなら海外に出るしかない」(谷澤憲良タニザワフーズ社長)業界にとっては魅力的に映る。
 一方で、常に悩ませられるのが規制だ。インドネシアでは投資や輸入規制が次々と変わり、解釈も現場で異なることが多い。日本大使館の牛尾滋公使は「商談会などがあっても、輸入規制が厳しく本物の食材を紹介できないことが多い」と嘆く。吉野家も牛肉輸入の停止で新規出店を見合わせたこともある。
 こうした規制に障壁を少しでも低くするため現地企業と日系企業の交流イベントが頻繁に開かれるようになってきた。海外日本食レストラン推進機構(JRO)は先月、ジャカルタで外食産業関係者向けに日本食紹介シンポジウムを開催。JROの田村清敏事務局長は「民間交流の活発化見せることで、当局に規制緩和へ動いてほしい」と期待を込めた。
 宗教も大きな壁だ。国民の約9割を占めるイスラムの教義では豚が禁止されている。調理法も細かく定められており、日本で出しているものをそのまま出すわけにはいかない。
 イスラム学者会議(MUI)のハラル認証取得に5年以上かかることもある。ハラルのカレーを出す「ゴーゴーカレー」の運営会社は「取得はいつになる分からない」という。一方で日系レストランはほとんどが認証を取得しておらず、認証の有無にこだわらないムスリムも多い。
 ムスリムは世界人口の約4分の1を占め、今後も割合が増えるとみられている。親日で比較的距離も近いインドネシアを、その先に広がるイスラム市場の入り口と捉える企業も少なくない。  (堀之内健史、7面に関連)

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