減らぬ燃料補助金 ルピア安、消費増、原油高 値上げの効果現れず

 政府は6月に補助金付き燃料を値上げしたが、補助金の支出は減らず、増加傾向になっている。消費量の拡大とルピア安、国際原油価格が高値で推移してきたことが主な要因。電力補助金を合わせたエネルギー補助金が、中央政府の歳出を圧迫する構造はまだまだ続きそうだ。 
 2013年補正国家予算は燃料補助金に199兆ルピア、電力補助金に99兆ルピアを計上。この二つからなるエネルギー補助金299兆ルピアは同年の中央政府歳出1196兆ルピアの25%を占めている。
 さらに補助金は当初予算を超え、国会に追加予算の承認を求めることになるとの観測も上がる。前年に策定した国家予算を年央に一度補正し、年末に再び燃料補助金の超過分を修正することが、11年から続いてきたためだ。
 最も大きな要因はルピア安。2日午後現在、銀行間相場は1ドル1万2千ルピア付近で推移する。補正予算は1ドル9600ルピアを想定。ルピア安は石油の輸入価格を押し上げるため、1リットル6500ルピアまで小売り価格を押し下げる補助金が増大する。日刊紙コラン・テンポが紹介した試算によると、1ドル100ルピア安くなるごとに補助金が年間3.8兆ルピア増えるという。
 インドネシアは石油輸出機構(OPEC)の加盟国だったが開発が進まず、95年以降生産が伸び悩み04年、純石油輸入国に転落。08年にOPECを脱退した。
 財政負担軽減には来年、再び燃料値上げが必要となるが、総選挙の年。国民に反発を買う恐れがある政策は打てず、消費量を抑制したり、他の燃料への転換を促したりする必要がある。
 民間研究所インドネシアエネルギーウォッチのマミット・スティアワン所長は「政府は燃料消費が落ち着くまでLCGC(低価格グリーンカー)が補助金燃料を利用するのを許可しないようにするべき」と語る。自動車販売を大きく押し上げる可能性があるLCGC適合車の補助金燃料の消費抑制を求める意見は一部で根強い。
 油田開発から小売りまで手がける国営プルタミナは、消費量の管理を目指し、各車両にRFID(電波個体識別装置)を付け、給油所経由で情報を集める管理システムの導入を進めている。12月末までにプルタミナ系列の給油所を通じて国内の二輪車8千万台、四輪車1100万台、トラック600万台、バス300万台の計1億台への搭載を目指しているが、配布の遅れが指摘される。
 燃料のガス化政策も停滞している。ウィラトマジャ・プジャ・エネルギー鉱物資源相補佐官は「乗用車をガス駆動にする装置に補助金を付けて、普及を促す案はエネルギー省、大蔵省、工業省にまたがる法整備が必要だが、連携がうまくいっていない」と語った。(吉田拓史)

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