訪日尼人数50万人へ!

 訪日外客数の伸びが好調だ。2024年9月までの累計が約2690万人と、前年の年間累計2500万人を既に上回っている。
 10月に発表された大手旅行雑誌コンデナスト・トラベラーの読者投票ランキング(米英版)において「世界で最も魅力的な国」として日本が2年連続で第1位に選出された。更に米国版では「世界で最も魅力的な大都市」として東京が第1位に選出されている。訪日需要はますます高まっていくことが期待される。
 インドネシアからの訪日者数も快進撃を続けており、2023年にコロナ前の数値を超え過去最多の約43万人を記録、今年は9月末時点で約35万人が訪日と、年間50万人が視野に入ってきた。
 観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2023年の訪日外国人旅行消費額は5兆3065億円であり、インドネシアはその1・6%である852億円を消費している。コロナ前最多であった2019年の539億円と比較して58%のプラスだ。
 観光目的のインドネシア人訪日客1人当たりの旅行支出(国際航空券含まず)は約21万円、その3割を買い物代が占める。主な購入商品はお菓子を中心とした食料品、衣類、革製品などであり、満足度も高い。買い物場所はコンビニエンスストアが圧倒的に人気で、その後デパートやスーパーなどが続く。
 日本政府観光局(JNTO)のアンケートによれば、インドネシア人観光客が日本でしたいこととして「春の桜、秋の紅葉、冬の雪」といった当地では味わうことのできない四季の美しさを楽しむという回答が多い。その他、和牛や寿司、ラーメンをはじめとした日本食、ショッピング、アニメやコスプレなどが挙げられる。
 人口ボリューム層である20−40代を中心に、その親や子、3世代などによる家族旅行が多いこともあり、テーマパークやフルーツ狩りなども人気のコンテンツである。
 9月にGBKで行われたジャカルタ日本祭りでも、テーマパークや2025年の大阪万博と連携したPRが非常に好評であり、インドネシア初上陸となった万博キャラクター「ミャクミャク」の周りには、多くの人々が集まり笑顔で一緒に写真を撮っていた。
 課題は、訪日した際の行き先が未だ東京、京都、大阪等のいわゆる「ゴールデンルート」と呼ばれるエリアに偏っていることだ。昨今のオーバーツーリズムの問題も鑑み、JNTOでは、現在SNS発信の7−8割をゴールデンルート以外の地域の観光魅力紹介としている。
 また、当地では日本の地理にまだ詳しくない人が多いため、コンテンツだけを紹介するのではなく、地図やモデルルートを用意し、東京や大阪などの大都市から何を使ってどのように周り、どこで何を食べ体験できるのか等を具体的に見せる必要がある。
 世界第4位という人口や経済成長もあり、今、インドネシア市場は日本の地方自治体や企業からの注目が高まっており、JNTOが主催する一般向けの旅行博や旅行会社との商談会等への参加希望はキャンセル待ちの状況である。最近は、東北や山陰など地方からの参加も増加傾向である。
 一方で当地旅行者からも、高所得者層やリピーター層を中心に、日本の新たなエリアや混雑していないところの情報がほしいという声が出てきている。
 インバウンド観光の方向性として日本政府が掲げる3つの柱「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」を実現し、日本の受け入れ側と当地旅行者双方が望ましい形となるよう進めていきたい。(日本政府観光局ジャカルタ事務所 所長 畠中環 JJC公的団体グループ代表)

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