輸入規制政策への対応と今後

 日本人商工会議所と日本人会の役割を兼ねるジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は、5月8日に定時会員総会を開き、菊地原伸一理事長(インドネシア三井物産)以下の新役員が就任した。
 法人会員数は678社と、コロナ禍の入口にあたる2020年3月末の715社からは3・9%減。日本人会としての個人部会は、成人会員数で同月に約2300人だったが、コロナ禍の中で一時は800人台にまで減り、現在は約2200人にまで戻った。
 ジャカルタ日本人学校(JJS)でも児童生徒数がコロナ前の約1000人が一時は200人台にまで減ったが、今年4月に700人を突破することができたのも明るいニュースだ。コロナ直前の2019年に開校したチカラン日本人学校(CJS)を加えれば900人を超え、日本人社会の回復が進んでいる。
 さて、経済調整省は5月22日、貿易大臣令2023年36号から続く輸入規制問題について、団体・事業者向けの説明会を開催。既に緩和された化学品などの分野に加え、新たに電子機器、履物、アパレル、アクセサリー、化粧品&家庭用品、バッグ、バルブなど、7つの商品グループを対象に輸入規制を緩和すると説明した。この措置は、団体からの要望を受け、3月の規制導入後も輸入許可が下りず港に滞留するコンテナが多くあるなどの混乱を解消することを狙っているという。
 36号規制は昨年12月に公布され、今年3月から施行された。最初に持ちあがったのは、化学品のMEG(モノエチレングリコール)で、新たに危険品に分類された上、タンクのないタンジュンプリオク港が輸入港に指定され、実質的に全く輸入できなくなった。MEGは繊維製品や自動車エンジンの冷却液などに広く利用されており、JJCでは通関関税委員会が先頭に立って、化学品合樹グループ、繊維グループ、商社グループと連絡を取りながら、大使館経済部や日本貿易振興機構(ジェトロ)が出席する委員会の場で討議し対応し、経済調整省、産業省、貿易省と対話し、規制からの除外が決まった。
 その後、規制が始まってからも、エレクトロニクス製品分野などで産業省・貿易省の許可が全く下りずに輸入が滞る事態となった。特に完成品輸入には厳しい対応がとられる傾向にはあるが、例えば自動車生産において、モデルに合う多種多様なオーディオを輸入しなければならないケースなどもあり、インドネシアの国産化促進、輸出推進にも影響を及ぼしていた。
 そこで、同じように輸入規制の問題に直面した各国の在インドネシア商工団体、インドネシア商工会議所(KADIN)とも連携し対応にあたり、大臣はじめ政府高官級との対話を経て、一部品目での規制緩和が実現した。未解決の課題は引き続き取り組んでいく。
 日本自身がかつて輸出代替政策をとってきていることからも、国産化そのものについて異論はない。また日系企業は高付加価値産業を振興することがインドネシアにとって重要であることを十分理解し、他国に先んじて工場建設を行ってきた。そのような企業・投資家にとっては、投資環境の予見可能性が極めて重要であることから、①政策変更を行う際の関係者に対する早期の情報提供、②現場を知る企業・団体関係者からの意見聴取、③十分な周知期間・移行期間の確保——について引き続き求めていく。今後もJJCは、インドネシアがより高い経済成長を実現していく際のパートナーとしての日本企業の立場から政策提言を続けていく所存である。
 小倉政則 ジャカルタ・ジャパンクラブ事務局長(日本・東京商工会議所より出向)

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