いつでもどこでも新発見 南ジャカルタ ルバック・ブルス・グラブ駅

 お散歩がてらあっちを見たりこっちを見たりのジャカルタ特別州内の観光では、旧市街地のコタ・トゥアや先月のおすすめ観光情報で紹介した中華街グロドックなどが代表的です。カフェやレストランめぐりならここのところ続々とおしゃれな飲食店がオープンを続けるスノパティやグナワルマンエリア、歴史ある名店を渋く巡りたいならメンテンエリアなど、一昔前に比べてジャカルタは目的別の「ジャラン・ジャラン」がしやすい街に変貌し続けています。とは言っても、目的は別に無いのだけど、どこか歩いてみたいな……とういう方に、今回のおすすめ観光情報はMRTルバック・ブルス・グラブ駅(南ジャカルタ)と、ここから始めるお散歩コースを紹介します。

 ジャカルタの公共交通機関の革命児、MRTジャカルタ。開業から3年以上が過ぎ、コロナ禍の外出禁止令での営業規制も乗り越え、ダイヤ通りの運行はもちろん保安もサービスも日本スタンダードの最高のクオリティを保ち続けています。ジャカルタへ新規着任した方の中にはご自身やお子様が鉄道好きという方もいるでしょう。そんな方々にはまずはMRTの最寄駅からルバック・ブルス・グラブ駅までの乗車をおすすめします。ジャカルタで公共交通機関を使うのは慣れていないし不安という方も一度乗車してみるとその快適さに驚くでしょう。現在のコロナ禍ではまだ車内での会話禁止プロトコルも守られていて安全対策も万全です。
 ルバック・ブルス・グラブ駅に着いたら車両基地を展望しましょう。今でもジャカルタっ子たちがカラフルに塗装された車両をバックに写真撮影をしている姿を見かけたりしますから、やはりピカピカの日本製MRTの車両基地というのはジャカルタの映えスポットのひとつなのかも知れません。また、車両基地の反対側に消防署があるのも乗り物好きには見逃せないポイントです。
 さて、駅を出て目指すは駅の進行方向に延びている高架方面。グルっと周って車両基地の奥側に進む方向です。駅を中心に開発が進められながらも昔ながらの活気やほっこりさが残る道路。交通量も多いですから日本の公園を歩くようなのほほんとしたお散歩とはちょっと異なる「何かオモシロイモノはないかな(アブナイコトもあるかも知れないし)」のアンテナをビンビンに張ってのエキサイティングな闊歩になります。
 しばらく歩くと目に付いたのはナチュラル系を意識したカフェ。竹の垣根とコンクリートの無機質さが調和していてイマドキです。立ち寄った時は時間帯的なものかとても空いていましたが夕方頃には若者たちが集うんだろうなと容易に想像できました。
 さらに進むと次々と迎えてくれたのは生活感が漂うカラフルなお店の数々。まず立ち止まったのはインドネシアの伝統的漢方薬「ジャムー」のお店。そしてポップなデザインに目が釘付けにされたのはお米屋さんです。普段スーパーで袋入りのお米ばかりを買っていると米粒の違いをまじまじと比べることはありませんが、専門店では量り売りでも買えるのでパラパラと色やら形やらを見ていると、「何用のお米をお探しですか?」と店主らしき人。聞くと、ふっくら炊くならこのお米、ソトアヤムと食べるならこのお米などなど異なるお米の種類について細かく丁寧に教えてくれました。さすがプロ、そしてインドネシアのお米なかなか奥が深いです。
 思わぬ所でお米を買って更に歩いた所での一休みは見慣れない瓶入飲料が置かれた屋台。「何かオモシロイモノはないかな」のアンテナに引っかかりました。「すみません、これはなんですか?」。パッケージを見せてもらうとデポックで製造されている飲み物。「ジャムーですよ」、ということで飲ませてもらうと薬草のようなシロップのような不思議な味がしました。
 期待を裏切らず、何時になっても何処かで必ず新発見が待ち受けるジャカルタの街歩き。ただ、交通量が多い一般道での散策は馴れない方にはハードルが高いかも知れません。我こそはと思う皆さまはどうぞ十分に安全に気を付けながら、いつもの視点からぐんと距離や角度を変えて、オモシロイコト探しのお散歩をしてみてください。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)

◇PT. JABATO INTERNATIONAL
電話 021・520・2091
メール sonoko_mizugaki@jabatojkt.com

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