コロナ禍を乗り越える日系企業の動き

 昨今、新型コロナウイルスの感染者数が急増する日本では、コロナ感染の第7波の到来が指摘されている。一方、ここインドネシアでも検査での陽性率が高まっており、以前のような市中感染の再拡大の可能性を否定できない状況にある。
 今年はじめのオミクロン変異株の流行がようやく収束し、新年度となった4月以降、ようやく出張者の往来も増え、〝ジャカルタ名物〟とも言うべき渋滞とともに経済も急速に戻りつつあったところ、心配な状況である。
 さて、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の法人部会の会員数は、過去を振り返れば通貨危機や暴動などの困難に直面した時代もあったが、幾度かの投資ブームを経て順調に増加し、2020年3月末の時点で715社と過去最高を記録していた。
 しかし、同月、新型コロナウイルスの国内感染が初確認され、インドネシアに進出している日系企業の事業をも直撃し、1年後の21年3月末には700社となって15社減少することとなった。
 初期に影響を受けた会社
は、人の相互往来がなくなった旅行会社や、事業性の調査などを行っていた駐在員事務所などで、インドネシアにおけるコロナ感染の拡大を理由に日本人駐在員を引上げ、退会する動きが多かった。
 コロナ禍が収まらない中で、さらに1年後の今年3月末には689社と、この1年間でさらに11社減少したことになる。
 退会理由としては、旅行業などコロナの直撃を受ける業種に限らず、不動産業や生活用品製造業などの幅広い業種で、インドネシアの消費不振というコロナの間接的な影響を受ける形で事業撤退に結びついた事例が多かった。
 こうした退会があった一方で、今年4月以降、状況は大きく変わってきた。規制緩和にともなう経済の再開の動きに合わせ、JJCに入会する日系企業が増加しており、6月には単月で6社が入会した。
 最近の入会企業の傾向としては、コロナ禍前に計画されたまま凍結されていた工場投資などもあるが、企業の太陽光発電事業をサポートする会社や、産業廃棄物の回収・リサイクルを行う会社など、アフターコロナの時期にインドネシアの成長をけん引すると思われる分野への投資が行われていることが分かる。
 JJCでは、今年のスローガンを「信頼され、選ばれ続ける日本へ ~コロナ禍からの次の成長に向けて」とし、コロナ禍により途切れがちになった人と人、ビジネスとビジネスを繋ぐ重要な機能も復活させながら、日本・日本企業のプレゼンスを高めることを活動方針としている。
 日系企業がコロナで縮こまるのではなく、次の10年の成長を見据えた投資が行われていることを、非常に心強く感じている。
 JJC事務局長 小倉 政則(日本商工会議所・東京商工会議所から出向)

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