【じゃらんじゃらん特集】 ギャラクシー結成21年 大所帯の邦人ビッグバンド

 「メンバーのほとんどが3年で入れ替わるのに、これだけ続いたバンドは世界でも他にない」―こうメンバーが口をそろえるのは、今年で結成21年を迎えるインドネシア在留邦人ビッグバンドのギャラクシーだ。3月3日(日)には、毎年恒例となったインドネシア最大の音楽の祭典、ジャワジャズ・フェスティバルに出演する。            
 ギャラクシーは1992年に結成した。駐在員としてジャカルタに赴任した村山圭司さんと片岡紀夫さんが仕事とゴルフの単調な生活に飽き、「学生時代に愛したジャズをもう一度」と思ったことがきっかけ。駐在員だけでなくインターナショナルスクールの学生など、仕事も年齢もさまざまなメンバーが集まり、当時の村山さんの自宅で練習した。今でこそジャカルタでもジャズが注目されているが、20年前にはほとんど知られておらず、日本人の間でも話題になった。
 メンバーの入れ替わりは激しいが、結束は固い。東京に戻ってからも「ギャラクシーとして活動したい」という思いから97年、帰国していた村山さんの下で東京ギャラクシーを結成。毎年暮れに赤坂のジャズクラブで貸し切り演奏会を開くほか、夏季オリンピック開催年にジャカルタで、本家ギャラクシーとともにこれまで3回「ワールドギャラクシー」を開催している。昨年11月の合同コンサートには約400人の観客が集まったという。
 「来るもの拒まず」のモットーは現在まで受け継がれており、現在22人のメンバーは17歳の高校生から60代と幅広い。楽器経験も小学校からという人もいれば、ギャラクシーに入ってから始めた初心者までさまざまだ。
 トランペット、サックス、ドラムなどで構成される大所帯の楽団の練習は週1回。「少しテンポが遅くない?」。練習中は冗談が飛び交うが緊張感は絶やさない。「互いの人生に拍手を贈り、それぞれを主人公にする」。結成時の思いは、ソロパートが多い演奏によく現れている。
 演奏を取りまとめるコンサートマスターの野々村祐さん(32)は「ギャラクシーはクラシックジャズを主に演奏してきた。インドネシアではすでに珍しくなったジャンルでもあり、日本人のバンドが演奏するので注目されている」と話した。

■「純粋に音楽を楽しむ」 地元ミュージシャンとも交流
 初回の2005年から出演してきたジャワジャズの常連でもある。世界のトップミュージシャンやインドネシアのミュージシャンに混じって、同じイベントのステージに立つ。そこから新しい交流も始まった。
 2月25日夜、南ジャカルタ・クマンのワインバー「フォーティーズ」で、インドネシアを代表するベーシストの1人、インドロ・ハルジョディコロさんと共演した。2009年のジャワジャズで、インドロさんのバンドのドラマーがギャラクシーに参加したことがきっかけという。以来、インドロさんと親交を深めてきたドラマーの服部恒郎さん(53)を通じてセッションが実現した。往年の4ビートジャズの名曲を中心に披露し、熱心な音楽ファンが多いバーの観客を沸かせた。
 インドロさんは「ギャラクシーは音楽で生計を立てていないアマチュアバンドの良い面が出ている。純粋に音楽を楽しむ姿勢は本当に好感が持てる」と語った。 (赤井俊文、写真も)

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