首都の座をIKNに譲るのか 独立記念日 ジャカルタ市制496年

「あなたは私の誇り。本当に辞めてしまうの?」。中部ジャワ州から来たユニさん(41)は、独立記念日の国軍パレードという晴れ舞台に立った息子のタルナさん(19)とモナス(独立記念塔)前で記念写真を撮っていた。
8月17日。陸軍所属のタルナさんは、モナスからイスタナ(大統領宮殿)に掲揚する国旗を運ぶパレードに加わった。しかし、タルナさんは軍を辞めたいという。「IKN(新首都=ヌサンタラ)は遠いから」。
まだ転勤命令が出たわけではない。しかし、「可能性は高い」とタルナさん。
「名誉なことは十分に承 知。ただ、それだけでは生きていけない」。悩んでいた。
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、任期切れを2カ月後に控えた来年8月、東カリマンタン州で建設が進むIKNで独立記念式典に臨む方針だ。新しい経済のけん引力となるスマートシティーIKN。構想に合理性もあるが、現実の話となるとやはり疑問符は残る。タルナさんも「頭の中でIKNと自分の人生がリンクしてこない」と目を伏せた。
次の独立記念日まで1年を切った。市制496年を迎えたジャカルタは首都の座をIKNに譲るのか。年明けの大統領選へ着々と布 陣を固めるジョコウィ大統領から目が離せない。(長谷川周人、写真も)

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