国立研究革新庁内の博物館 体験型教育施設「アニマリウム」 西ジャワ州ボゴール県  

 深刻な大気汚染問題がクローズアップされているジャカルタ。ゴホゴホと霞んだ空を見上げながらヒリヒリする喉をさする日々は夢見ていた赤道直下の南の島での生活とはあまりにもかけ離れています。こんなはずじゃなかったよね……。今回のおすすめ観光情報は、今こそ守らなくてはならないと真剣に考える、この地球の自然の成り立ちや動物について学習することができる体験学習型施設、国立研究革新庁の研究施設アニマルサイエンスセンター「アニマリウム」を紹介します。

 「アニマリウム」は動物(アニマル)の研究、飼育、展示をコンセプトに今年3月に国立研究革新庁がボゴールの同庁敷地内に開館した体験型教育施設です。水族館(アクアリウム)が水中で暮らす動物たちに特化した施設であるのに対し、より広い意味での動物たちの博物館というところ。コンクリートむき出しの建物はまだ新しく、随所に施されたグリーンがエコ感を醸し出す近代的な博物館と呼ぶにぴったりの外観。中央あたりに突き出たネットもあり、あそこに鳥がいるんだな、というのがわかります。
 入口の窓口で入場券を買うと学習ノートと鉛筆がもらえます。フルカラーのかわいい動物たちのイラストや質問事項が書いてある学習帳で気付いた事などをどんどんメモできます。入り口付近には施設の案内動画も流れていて入館前から学習意欲が高まります。
 さて、動物の博物館というと動物の古びたはく製が並ぶ、かつての大学の資料室のような場所を想像してしまい少々緊張していたのですが、エントランスの扉を入るとそんな不安は吹き飛びました。照明が抑制された展示室に並んでいるのはカラフルな動物たちの等身大模型。細部まで良くできたリアリティーと親しみやすいフィギュア感のバランスがきちんと取れていておもちゃ箱のよう。模型だからこそ近距離で大きさを実感したり、細部を観察したり、自然界では難しい動物同士のサイズの比較などもできるのがまた良いところ。モニター画面で案内を確認したり写真を撮ったり様々な方法で楽しみながら動物について学べます。
 生体も飼育されています。水鳥コーナー、ジャングルコーナーなどでは鳥たち、哺乳類コーナーではマングースやジャコウネコ、アロアナなどの魚類、爬虫類、両生類などを動物園とは違う少々アカデミックな雰囲気の中で静かに観察学習ができそうです。爬虫類・両生類の展示室ではトカゲやカエルがどこにいるのかずっと水槽の中を探してしまい、今まで知らなかった生き物にも遭遇しました。
 人気の展示のひとつが体重測定。動物の絵が描いてあるルーレットの前の体重計に乗ると、自分の体重と同じ動物が表示されるというもの。「お母さんはシカだっ!」などと笑い合いながら挑戦している家族連れの姿もありました。順路はひとつずつの展示室を見終わらなければ次にどこに進むのかよくわからないような流れになっていて知的好奇心がどんどんそそられていきます。どこか迷宮探検か脱出ゲームのようでまた楽しく、涼しい屋内と日光の当たる屋外の展示の具合も丁度よく配置されているので最後の展示室まで見終わった時には何とも言えない充実感と達成感が得られました。
 皆さまもジャカルタから少し離れ、動物に癒されながら自然の大切さ命の尊さを再認識できる「アニマリウム」を訪れてはいかがでしょうか。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)

◇PT. JABATO INTERNATIONAL
電話 021・520・2091
メール sonoko_mizugaki@jabatojkt.com

おすすめ観光情報 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly