【縁日祭特集】 日本の良さ知ってもらう 富吉賢一所長ジェトロ・ジャカルタ事務所

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は今年、日本の輸出振興とブランドの販売促進につながるものとして、リトル東京ブロックM縁日祭の公認、後援を決めた。
 背景には、経済産業省が2010年から開始した輸出戦略「クール・ジャパン」がある。今年は、ジャカルタとバンコクを戦略の重点都市に指定。市場の大きさ、将来の伸び、対日感情などを考慮し「施策を講じれば、もっと売れる場所」として重視する。
 まずは、日本の良さを知ってもらうPRが必要。これから何を売っていくのかを考えなければいけない。だが、BtoC(企業と一般消費者の取り引き)がまだなかなか見えない。BtoCがはっきりしないと、BtoB(企業間取り引き)も成立しない。
 縁日祭は地域の小さな祭りとして開始された。日本関係のイベントは、以前は大学の日本文化祭しかなかった。ブロックMは、ショッピングモール、バスターミナルがある普通の繁華街。祭りには有象無象の人が入場するから、日本に特に関心がない人もいる。そういう人に日系企業がクール・ジャパンと絡めて商品をアピールする場にもなり得る。
 日本が持つコンテンツの主力戦略商品が、アニメーションだ。パリのジャパン・エキスポは当初、フランス人のオタクが始めた小さなイベントだったが、今では30万人の集客力を誇る。日本の大手企業が続々参加し、「日本のすべてを見せる」イベントに成長している。
 コンテンツは「それ自体がメディア商品であり、PR手段という両面性」を持っている。米国では、自動車メーカー・トヨタが、日本のコンテンツでIT技術の究極「初音ミク(バーチャル歌手)」をCMに使用した。だが「アニメなどサブカルと企業は関係ない」と思い込んでる企業がまだ多い。
 インドネシアでも、企業のJKT48起用がようやく始まっている。それ自体の商品性が高まれば、PR手段としてもより使えるようになる。JKTの活動がもっと活発化し、知名度が向上すれば、企業にもメリットが出る。
 縁日祭はすでに、恒例化して動き出している。イベントもPRの場であり、利用できるメディア系コンテンツ。縁日祭も広く認知され盛り上がることで、相乗効果としてより利用できる場になってほしい。

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