通貨や銀行の歴史深堀 西ジャカルタ インドネシア銀行博物館

 インドネシアの通貨、ルピア。新規赴任者などの中には数万円の両替で分厚い札束になってお財布に入らずに苦笑したり、お買い物の際に桁で混乱したりと馴れるまで悪戦苦闘する方もいますね。そんなインドネシアの紙幣デザインがことし8月17日の独立記念日に刷新されました。そこで今回のおすすめ観光情報はジャカルタ旧市街コタにあるインドネシア銀行博物館を紹介します。インドネシア銀行博物館については2021年8月7日付のおすすめ観光情報で紹介しました。今回は、新デザイン発表に伴い新情報はないかと興味津々。さて、その様子は。            

 大量高速鉄道(MRT)の沿線工事で見違えるほどの変貌を続けているジャカルタ旧市街、コタ駅周辺。長い間閉ざされていた本来の駅舎正面エントランスが開き駅前広場の整備も進んでいます。インドネシア銀行博物館はそのコタ駅から駅前広場を挟んだ斜め前あたりに位置しています。モナス方面から来ると駅前広場を右に見て左側。立派な建物がふたつ並んだ手前がマンディリ銀行博物館、その隣がインドネシア銀行博物館という位置関係です。
 インドネシア銀行は当時の宗主国オランダがジャワ銀行として設立、1828年にジャワ銀行として創業しました。これは当時の本店だった建物です。手洗い、検温をクリアしいざ入口へ。いかにも銀行といった重厚な扉の入口を入ると荷物検査、チケット購入、手荷物預けという徹底した安全管理を経て展示室エリアへ入場です。
 さっそく飛び込んできたのは新デザインのプレゼンテーション。やっぱりありました。大型モニターから流れる誇らしげな映像です。華やかで自信に満ちた動画から新デザインに込められた20カ国・地域(G20)開催記念とアフターコロナの経済復興祈願の意気込みが伝わってきます。
 さて、メイン展示室ではタイムトンネルをくぐってお金の歴史を巡る映像がプロローグ。現代をアプリやQRコード利用といった電子決済システムの時代と定義しています。配車・宅配アプリもお取り寄せの買い物も今やインドネシア生活では無くてはならないもの。屋台にもQRコードが貼ってあるなど気が付けば何日も現金を使用していないこともあるほどですね。これも新しい展示です。
 そこから、パネル、映像、現物、等身大の人物像など趣向を凝らした形式でのインドネシアのお金の歴史についての展示が続きます。展示エリアと見学の流れは大きく4つ。テクノロジーを駆使して時系列で学べるエリア、実際の会議室などの内装見学エリア、ジャワ銀行時代の旧紙幣や古銭、造幣機器から見覚えのある現行紙幣など数々の現物コレクションの展示室、そしてインドネシア銀行博物館の目玉、思わず両手を合わせて拝みたくなる山積み金塊の展示室です。各展示物の説明はインドネシア語と英語があり見学ルートがしっかり決まっているので非常にわかりやすくなっています。また、とても美しい建築自体も見どころです。
 所々に日本関係の展示もあります。大日本帝国軍政時代を歴史の流れのひとつとして紹介する軍服や日本刀、それに大日本帝国と印字されたに当時の紙幣などです。日本とインドネシアの歴史を改めて実感する上でぜひとも見逃さないように。
 歴史ある博物館。ともすれば古びた展示で色褪せる鮮度に沈んでしまうところ、最初の新デザイン動画以外にも各所で新しい展示がされていて今どきの子どもにもアピールし、過去に訪れた事がある方も初めての方も楽しめるよう進化を続けています。
 金塊を見るだけなら20分程度で良いですが、ひと通りの見学ならさらっと周るだけでも1時間、よりしっかりと見たい方は2時間以上が所要時間の目安です。2022年、新しいデザインの紙幣が発行された記念すべき年、皆さまもぜひインドネシア銀行博物館を訪れ、インドネシア滞在中必ずお世話になるこの国の通貨ルピアや銀行の歴史を深堀してみて下さい。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)

PT. JABATO INTERNATIONAL
電話 021・520・2091
メール sonoko_mizugaki@jabatojkt.com

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