ふらり裏路地を歩くジャカルタ 探検気分でグロドック
2022年も7月に入り、今年は夏休み気分を味わおうかな、家族を呼び寄せようかな、と計画を立てている方のお話を聞くようになりました。コロナ禍でインドネシアに赴任された方もまずは探検気分でジャカルタの街を散策でもしてみよう、と思う方も少なくないはず。そこで今回のおすすめ観光情報は、地域住民になりきって歩くジャカルタの裏路地散策。目に付いた物にはてな、という疑問を持ちながら、どんな新発見ができるか楽しみです。
古くから「ジャカルタの中華街」として知られる西ジャカルタのグロドック。有名な中国料理屋さんや中国風の雑貨、漢方のお店などが立ち並んでいます。約400年前、中国本土から大規模に移住してきた中国人たちが定住し、商いをし、彼らの文化が現在まで継承されています。活気と生活感に溢れ、ぐるっと一周歩くと気が付けば両肩にあれやこれやと買い物した物がぶら下がっていることも。商魂たくましい店主から声をかけられたり、掘り出し物を探す他の買い物客との争奪戦になったりと、購買意欲が掻き立てられるパワーが街全体にみなぎっているんですね。
そんな人混みの商店街を歩いていると、沢山の人が足を止めている角がありました。いつもいる果物屋さんのようですが、ふと見ると珍しい果物が入荷していたようです。「マトア・パプア」と書かれています。マトアはランブータンやライチと同じムクロジ科の木になるパプア原産の果物。実はウズラの卵より一回り大きめの楕円形でつるっとしていて毛はありません。
みんなが集まっているところに便乗してひとつ味見をさせてもらいました。確かに味はランブータンに似ています。適度な甘さと想像していたよりもしっかりとした舌ざわりもあり、皮が剝きやすくて食べやすい。うん、おいしい。珍しい季節物ということもあってか目の前で飛ぶように売れていました。
ところで、このグロドックという地名は「水が噴き出すところ」という意味の言葉が由来で、馬が水を飲む水場を示していたそうです。確かに雑踏を少し過ぎたところに川があり、今でも水辺の休憩にはピッタリの風情があります。川沿いには歴史を感じる古い建物が並び地元民たちが普段着姿で歩いていたりします。
更に奥深く迷路のような小路を進むと、とてもキレイに整備された区画もありました。懐かしい感じのよろずやさん、駄菓子屋さん、散髪屋さんなども古いながらも大切に守られていることがわかります。見事な3Dアートで壁から飛び出しているのはトラ。今年が寅年だからなのか、こんなところにも十二支を重んじる中国文化が垣間見られることがまた面白い。
何気ない散歩でもふと目を止めると歴史、文化、多様性などを知ることができる様々なヒントに出会える街、グロドック。ジャカルタの魅力のひとつです。安全には気を付けながら皆さまも散策してみてはいかがでしょうか。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)
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