フルーツで巡る地方色 医食同源で健康維持を

 時計が止まったようなコロナ禍の約2年を経て2022年が明けました。今年こそはコロナウイルスもどこかに消え去って何の不安もなく仕事も生活も旅行も楽しみたいものです。「医食同源」という言葉のとおり、食べることは健康維持に最も重要なことのひとつで、ここインドネシアは南国のフルーツ天国。そこで今月のおすすめ観光情報はインドネシアの果物を紹介します。

 「果物の王様」と称されるあのトゲトゲのラグビーボールのような果物、といえばドリアン。日本語読みでは「ドリアン」と表記発音されるのが一般的ですが、インドネシア語の発音は「ドゥリアン」に近い物があります。それもそのはず、「ドゥリ」は「棘(トゲ)」、それに「……的な」「……っぽい」というニュアンスを表す接尾語「アン」が付いて、さながら「トゲトゲのやつ」というのがその名前の由来なのです。その強烈な香りから産地であるインドネシア国内でさえ公共交通機関やホテルへの持ち込みが禁止されていたり、食わず嫌いの方も多いのですが、その壁(?)を乗り越え、口にした者だけが到達できる甘くまろやかな果実はまさに秘宝。加工品やたまたま時期が良くない時に食べて苦手意識を持ってしまった方もぜひ再チャレンジとして旬の季節に本場で食べていただきたい果物です。インドネシアではスマトラ島のメダン産が有名ですが、ジャワ島をはじめ多数の土地で生産されています。
 ドリアンに似ているけれどもっとトゲトゲが小さく身が引き締まっている「ナンカ」(ジャックフルーツ)も日本ではあまり食べない果物です。繊維質な果肉は一見パサパサに見えますが、「あたり」だと水分も甘味もたっぷりです。ジャカルタのスーパーでもパック入りで売っていることもありますので、お試しで食べてみるのも良いかもしれません。
 日本でもスーパーフードとして人気が高い「ドラゴンフルーツ」もおすすめのひとつ。インドネシア語でも「ブアー(果物)・ナガ(龍)」という直訳のネーミングです。燃え上がる炎のような風貌のイメージとは異なり、果肉はとてもマイルドなお味。ヨーグルトやライムなどの酸味を足すとより引き締まって甘さも増します。ショッキングピンクの果肉に抵抗がある方は白い方から挑戦してみては。インドネシア国内では、バタム島やバニュワンギが産地として有名なほか、ジャカルタ近郊のボゴールにもドラゴンフルーツの観光農園があります。
 龍の果物、と来たら蛇の果物もはずせません。インドネシア語で「サラック」という強そうな皮に包まれた果物、英語ではその皮の見た目から「スネークフルーツ」と呼ばれています。爪の先を皮に食い込ませればポロっと簡単に剥ける皮の中にはコロコロとした実があり、水分少なめのリンゴとナシを足して2で割ったような味がします。日本人がイメージする果物の食感とは違う、食の異文化体験になるでしょう。バリ島やジョグジャカルタでも食べられます。
 ところで、産地でなければなかなか「生」を食べられない果物の代表は中部ジャワ、ディエン高原産の「チャリチャ」という果物。細い2メートルほどの樹木に傘のように実る姿はパパイヤ風なのですが、果肉はコリコリ固め。糖分が高まらないまま熟す果物なので、現地ではシロップ漬けにして売られていたりします。くせがない分、お料理上手な方ならぬか漬けにしたりヘルシーサラダにしたりと使い方のバリエーションも広そう。そんなことを考えながら地方のパサール(伝統市場)で果物を買い物するのは旅行の大きな楽しみです。22年、今年も安全安心第一の旅を。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)

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