お洒落な街が誘う旅心 ジャカルタ・クマン地区

 「コロナ、コロナ」と振り回されて早いもので約1年半が経ちました。7月から8月にかけてインドネシア在留邦人の一時退避帰国が集中しましたが、9月に入った今は再入国ラッシュとなっています。その間、ジャカルタではショッピングモールや公共交通機関の利用にワクチン接種証明が必要になるなど、当地でのコロナ禍の生活環境はますます変化しています。そんな今月のおすすめ観光情報は気分転換のウォーキングとインドネシア津々浦々の味覚が楽しめる南ジャカルタのクマン地区を紹介します。

 日本人にはお馴染みのブロックMの南、約2~3・5キロの間に延びるクマンラヤ通りを中心に広がるクマン地区は、オフィスビルやショッピングモール内の飲食店が中心のジャカルタにおいて、お洒落なカフェやレストランの路面店が並ぶ先駆け的なエリアです。かつてジャカルタを訪れた日本の芸能人が「ジャカルタの白金」と称したこともありました。その形容のとおり、キッチン用品、雑貨、家具などのお店はどれも個性的です。歩道も整備されていますので、気になるお店に立ち寄りながらののんびり散策は、コロナ禍の気軽なリフレッシュに最適です。カフェやレストランも魅力的です。イタリア料理、トルコ料理、インド料理などのレストランは根強いファンもいる老舗名店がずらり。多国籍の客層のニーズに応えるべくアルコール類の提供をするお店が多いのも嬉しいものです。
 さらに、クマン地区にここ数年増えてきているのがインドネシア各地のレストランで、特にクマンラヤ通りの南端あたりには数百メートルの間にアチェ料理店、スラウェシ料理店、バタム料理店、パプア料理店など迷ってしまいそうな数のレストランが集中しています。「多国籍」に引けを取らない「多様性」を誇る多民族国家のインドネシア。例えば日本でもお味噌汁やなべ物の味付けや食材が地方によって異なるように、同じナシ・ゴレンやミー・ゴレンでもところ変われば味付けや具材が違います。その上、これまで聞いたこともない料理名ともなれば、「これは何? あれは何?」とメニューを見ながら選ぶだけでも楽しいものです。ここだと決めて入ったレストランで、これだと決めて注文したお料理、想像通りの味なら感嘆、想像を超えていれば興奮ですよね。
 さて、これで次の旅行の下準備は完了です。お料理を満喫した後には「いつかは本場で食べてみたい!」という欲がきっと湧いてきたはずです。「ここに来たのはあの時ふらっと入ったレストランの料理」、案外旅行のきっかけはそれほど身近に転がっているのかも知れません。国内旅行へのハードルが下がるのはきっとあともう少し……。そう願いながら皆さまもクマン地区で健康維持と次の旅行に向けた豆知識インプットをかねたお散歩を楽しんでみてください。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)

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