絶品ご当地グルメを堪能 シンカワン・マカッサル 調味料で旅の予習を
弥生3月、コロナ禍の閉塞感に溜まるストレスも春の到来で明るさのリチャージ。長引く自粛生活で「今日は何を食べよう……」と悩む毎日の食事のレパートリーにもバリエーションを加えたいところです。そこで今回のおすすめ観光は、絶品ご当地グルメを誇る2都市、西カリマンタン州シンカワンと南スラウェシ州のマカッサルを、おすすめ料理とジャカルタでも手に入る現地の調味料を交えて紹介します。
◆西カリマンタン州・シンカワン ~餃子ではない新食感「チョイパン」~
西カリマンタン州の州都ポンティアナックから北上すること約145キロ、同州第2の都市シンカワン。日本人名でもありそうな親しみやすい「山口洋」という中国語の音読みが由来だそうです。「海沿いの河口に近い丘の上にある町」という通り、ポンティアナックから海岸線を車で走ること約4時間、シンカワンの街は周りをいくつもの丘に囲まれた河口に広がっています。
人口の多くは客家系、潮州系の華人ということで、ここはインドネシアなのかと疑うくらいの絢爛(けんらん)豪華な中国寺院が観光の目玉。しかしすぐ目の前にはモスクや教会も立ち並び、さらにマレイ族やダヤック族の文化も交えながら独特の融合文化を築き上げているエキゾチックな街です。
そんなシンカワンでぜひ食べたいご当地グルメの一押しは「チョイパン」、または「チャイクエ」と呼ばれる蒸し物。形は餃子に似ていますが皮は米粉を練ったものなのでツヤツヤの光沢、それに大根や人参などの野菜が包まれています。トロトロの皮とシャキシャキの野菜の食感は、気が付けば何十個でもいけてしまう美味しさです。
他にも本場にルーツを持つ華人が作る絶品中国料理の数々はシンカワンが美食の街なる所以。ステイホーム中ならジャカルタのスーパーでも売っているシンカワンのお醤油を使ってシンカワン風本格中国料理に挑戦です。
◆南スラウェシ州・マカッサル ~まろやかなコクとうま味「チョト・マカッサル」~
南スラウェシ州の州都で、貿易港として栄えた臨海都市マカッサル。市民の憩いの場、海岸線の公園では屋台で焼きバナナに舌鼓。激動する歴史の舞台となった街のシンボル「ロッテルダム要塞」は、今では一般開放され過去を未来に伝える重要な役割を果たしています。
そんなマカッサルの代表料理は街の名前がそのままついた「チョト・マカッサル」。「チョト」とはスープのことです。多々あるインドネシアの美味しい地方スープの中でも「チョト・マカッサル」は辛過ぎず甘くもなく、まろやかで日本人の口にも合いやすいおすすめのスープ。サラサラめのインドネシア米のご飯と一緒に食べれば美味しさがより引き立ちます。ちょっとあっさりし過ぎ?と思う時はライムやサンバルで調整して自分好みにするのもオツです。
今すぐ食べてみたいけれどコロナ禍の今、現地に出かけることはまだ少し難しい……となれば、自家製スープにジャカルタのスーパーでも手に入る「サンバル・マカッサル」で旅の予習を。後付けの辛味としてだけではなく、隠し調味料として調理中に使えば味に深みとコクも出ます。ただし激辛には要注意で。
インドネシア各地の美味しい旅。早く安全に出かけたいものですね。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)
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