ジャカルタから探る地方文化 身近なものが誘う妄想旅行
春節の華々しい雰囲気が漂う季節になりました。しかし、ジャカルタでは引き続き自粛が求められていて国内旅行もまだ気軽には行ける状況ではありません。自宅と会社と最低限の外出ではインドネシアにいることも忘れてしまいそう……。そこで今回のおすすめ観光情報は、ジャカルタで見つけたインドネシア各地の製品から探る観光情報をお届けします。
【北スマトラ州メダン・華人文化とコーヒー】
スーパーのコーヒー売り場でひときわ異彩を放つパッケージに目が行きました。インドネシア産コーヒーでは珍しい中国風のデザインです。見ると生産地はインドネシア第4の都市、北スマトラのメダン。インドネシアの歴史を知るうえで土着文化や風習、イスラム教の伝来と同様に非常に重要なのが中国伝来の文化的経済的影響と発展です。
今年はコロナの影響で開催されるのかどうかはわかりませんが、西カリマンタンのシンカワンをはじめとする華人の人口が多いインドネシア各都市では、中国旧正月のお祝いが盛大に行われるのが毎年の恒例行事。シンカワンほど有名ではありませんがメダンも華人が多い街として知られていて、街中の中国寺院は非常にしっくりと人々の生活の一部になっています。
【南スマトラ州パレンバン・街のトレードマーク】
心地よい風に吹かれるオープンエアーのレストランでテーブルの上にともされているろうそく。少し場違いだけどロマンティックなキャンドルディナー用? いえ、ブンブンとやってくる煩わしい蠅除けです。
そんなインドネシアならではの必需品であるろうそくにも地方都市を見つけました。「アンペラ橋印のろうそく」、生産地は南スマトラ州のパレンバンです。その名のとおりアンペラ橋は市内を流れる大河ムシ川にかかる街のシンボルとなっている橋です。ムシ川にはケマロ島という中島が浮かび中国寺院が建っています。
パレンバンのろうそく産業についての情報が見つからず未詳なのですが、もしかするとこうした中国寺院における大量のろうそく需要が関係しているのかも……などと仮定、気が付けば謎解きの妄想旅行に出発です。
【東ジャワ州ブリタール・歴史と謎の魚を追って】
インドネシア第二の都市スラバヤから約170キロ、初代大統領のスカルノ元大統領ゆかりの地として知られる東ジャワ州ブリタール。スカルノ元大統領が幼少時代を過ごした宮殿や今も眠る墓地などに現在も多くの人が訪れます。またマジャパヒト時代の寺院のひとつペナラタン寺院遺跡があり、1900年代初頭オランダ統治時代に作られた市章にもあしらわれています。
こうした歴史的、文化的背景を持つブリタールの逸品を見つけました。サーモンサンバルです。天然のサーモン(鮭)は北半球固有の魚でチリやニュージーランドなどでは海洋養殖がされているとのことなのですが、インドネシアでの鮭漁業はノーマーク。北国出身者としてはまったくピンと来ません。販売していたお嬢さんは「そうよ!鮭よ!ブリタールに鮭はいるのよ!」と満面の笑み。スカルノ元大統領ゆかりの地を訪ね、マジャパヒトの遺跡を探索し、幻の鮭を追う……。もう次の旅行はブリタールに決めるしかなさそうです。
普段何気なく使っている物、食べている物にもインドネシアのおもしろさは溢れていますね。皆さまも次のご旅行計画のご参考にされてみてください。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)
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