日々の喧騒忘れて バリ島ウブド のどかに広がる棚田
バリ島といえば賑やかなビーチ。「バリ初心者」の私はそう思っていたのですが、デンパサール市北方にあるウブドの棚田(ライステラス)も忘れてはいけない人気スポットだそう。訪れてみると、日々の喧騒を忘れさせるような、のどかな光景が広がっていました。
向かうは棚田で有名なテガララン。ングラライ空港があるデンパサール市から、北へ北へと進みます。デンパサール市内を抜ければ、目につくのは田んぼや畑。ビーチと繁華街の風景から一転しました。高地に差し掛かり、気温もグッと涼しくなったような。
目的地につき、徒歩で山道を抜ければ、見事な黄緑色の光景が広がりました。段ごとに整然と管理され、一方で人工物を目立たせず、「ありのまま」だと思わせる姿。コンクリートの上ばかりを歩いて来た私には、自然とすっかり共存したあり様に不思議さすら感じました。
近くのカフェに入り、棚田を見ながらコーヒーで一服。喧騒から離れられないジャカルタでの生活を思えば、これだけで来る価値があるというもの。車のクラクションやオートバイの騒音、狭い集落(カンプン)でスマートフォンから流れる大音量のダンスミュージックとそれに負けない声で会話する若者たち、デモ隊や警官隊の叫び声なんかが、遠い国のことのように思えます。
突然強い雨に襲われ、店の天井からポツポツと雨漏りが。その音を聞きながら濡れていく棚田を眺めると、無意識に抱えていた、自然と共にある生活への憧れに気付かされました。
なるほど「バリと言えば海!」としか思っていなかった自分の認識はあまりにも浅かったよう。
島内にあるサル園では、元気なサルたちとまた違った自然も楽しめます。寺院や文化財を見て回れば何日いても足りないかもしれません。
まだまだ行きたい、見てみたい。そう思わせる魅力が、バリ島にはあるようです。安心して観光できる日がいつになるかはわかりませんが、できれば何度でも訪れたい島です。(大野航太郎、写真も)