コモドドラゴンとゆったり 東ヌサトゥンガラ州コモド島

 観光資源や保護対象として、頻繁にインドネシアメディアに登場する「コモドドラゴン」。その実物を見たいと、生息地の一つ、東ヌサトゥンガラ州のコモド島に行ってきました。海岸をコモドドラゴンのコドモが走る、ゆったりとした島でした。

 この島では、コモドドラゴンが生息する「コモド国立公園」に入り、ガイドさんと共に散策することができます。
 2時間で4・5キロを歩く「ロングトラック」、1時間で2・5キロを歩く「ミディアムトラック」、40分で2キロを歩く「ショートトラック」の三つのコースを選べます。
 私たちのツアーはミディアムコースで園内に。万が一の事態に備え、さすまたのような棒を持ったガイドさんが3人付いてくれました。ただ、棒は細く、テレビで見るコモドドラゴンの迫力に対して、いまひとつ頼りない印象です。コモドドラゴンは人間を襲った例も報告されている世界最大のトカゲ。無事を祈りつつ、公園内に入りました。
 しかし、そもそもコモドドラゴンに会えません。えさのシカやイノシシの姿は見えるのですが、水場にも、卵があるという場所にもいませんでした。
 コース終盤、期待していた写真も撮れず、「このままじゃ帰れない」と焦りました。ガイドさんにロングトラックのルートに行けるよう交渉を試みたところ、「もう少し待っていろ」とのこと。「観光の目玉」を欠いている状況でも、不思議と焦りを見せません。
 ほとんど出口に差しかかったとき、ガイドさんが「あれを見ろ」と民家の軒下を指差しました。そこには日陰でくつろぐコモドドラゴンの姿が。お腹を地面につけて、のびています。
 急ぎ近づくと、そこに3頭いることがわかりました。ガイドさんによると、この3頭は家族で、昼の暑い時間はよくこの軒下で休んでいるそうです。「なるほどアテがあったわけか」と、ガイドさんらの妙な落ち着きに合点がいってしまいました。
 軒下にいる写真を撮り終えたころ、ガイドさんが高所からバケツで水をまき、コモドドラゴンを刺激しました。音に驚いたのか、立ち上がり、のそのそと軒下から出てきます。黄色い舌を出し、歩く姿はさすがに迫力満点です。
 少し距離を取って写真を撮っていると、「もっと近づけ」というガイドさんの声。コモドドラゴンたちは人に慣れているのか、恐る恐る近づく私たちを尻目に悠然と寝転がりました。そこで家族連れやカップルとおぼしき人々が近寄り、次々と記念撮影。しばらくの間、「撮影会」が行われました。
 その後、コモドドラゴンの木彫りなどが並ぶ土産屋を見て、海岸近くの屋台で休憩。この時、「コモドドラゴンの赤ちゃんがいるぞ」との声が聞こえました。なにやら浜辺を小さなコモドドラゴンが走っています。
 食べ物を探しているのか、屋台の裏で立ち止まったコモドドラゴン。追いかけてみると、素早く屋台の下を通り、内陸に逃げていきました。屋台の店主などは特にリアクションなし。猫でも見るような目で見つめます。屋台の周りに来るのは、「よくあること」なのだそうです。
 風貌が厳めしく、厳重な保護対策の必要性も叫ばれているコモドドラゴンですが、現地ではのんびり、人と交わる姿がありました。
 また周辺では、ピンクの美しいビーチや透明度の高い海、山を登った景色が美しいパダル島もあり、大自然の中で日の出や夕焼けが楽しめる周遊クルーズもおすすめです。新型コロナの流行が落ち着いたら、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

(大野航太郎、写真も)

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