【じゃらんじゃらん特集】 ビストロとギャラリーに 20世紀初頭の建造物 メンテンにオープン

 中央ジャカルタの高級住宅地メンテンの一等地にある歴史的建造物を改修したビストロとギャラリーが5日、オープンした。オランダ人の社交場として建てられた20世紀初頭当時と同様、1階にビストロ「ボウルバード」、2階はアートギャラリー「クンスクリン」。レトロな雰囲気に浸りながら、現代芸術やフランス料理が堪能できる。 
 1914年に建造。「バタビアチェ・クンスクリン(バタビア芸術サークル)」と呼ばれ、舞踏会やオペラのほか、30年代にはピカソ、ゴッホ、シャガールなどの作品展が開かれるなど芸術の場だった。
 建物の外装のほか、テラスの床タイル、天井に描かれた柄、階段の手すりなど、オランダ時代の装飾がそのまま残されている。現在は真ちゅう製のくさび形の鍵や竜の置物など中国風の調度で飾られ、おしゃれな雰囲気を醸し出す。
 建物は数奇な運命をたどってきた。インドネシア独立から97年まで入国管理事務所として使われ、98年にはスハルト元大統領の三男トミー氏の手に渡ったが、使用されず放置され、廃墟同然となった。
 2002年、ジャカルタ特別州観光局が歴史的建造物保存のため買い戻し、改装。08年にフランスのパリに本店を構える「ブッダバー」が東南アジア初の支店として営業開始したが、店内に飾られた高さ6メートルの仏像などが仏教団体の反発を招き、10年末に閉店。改装後の11年初頭、店のあるトゥク・ウマル通りのオランダ時代の旧名を店名に採用し、1階部分を「ビストロ・ボウルバード」として再出発した。

■国内の食材を利用
 ニュージーランド出身のアレックス・エンソルシェフが、モダン・フレンチメニューを創作。鮮度を重視し、メニューの8―9割はインドネシア産の食材を使用している。「建物の雰囲気に合う料理」を意識し、ヘルシーでさっぱりしたものが多い。土日には、45万ルピアのブランチコースメニューを用意している。
 併設のバーは、ランブータン・マティーニなどインドネシアの果物を使ったものや、ジンジャー・ティーなど、インドネシアで古くから親しまれている飲み物をベースにしたアルコールもそろえる。ウマル・チョキ・マスターは「古くからある建物だからこそ、インドネシアで親しまれてきた伝統的な飲み物を大事にしたい」と語った。

■15日まで現代アート展
 2階のギャラリーでは、15日まで現代アート展「ツァイスガイスト(時代の精神)」を開催。美術コレクター2人が集めたインドネシアのコンテンポラリー・アート作家19チームの作品が展示されている。

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