謎めく遺跡を訪ねて 乳房の泉など 東ジャワ州

 インドネシアが誇る遺跡・歴史的建造物といえば世界遺産、中部ジャワのボロブドゥール寺院とプランバナン寺院が代表格です。しかし広大なインドネシア各地には大中小さまざまな遺跡や歴史的・文化的価値の高い建造物が点在しているほか、近年でも畑を耕していた地元農民が古代石像を偶然発見したなどというニュースが流れるなど、まだまだどこかに未知の遺跡や埋蔵品が眠っていると考えられています。今回のおすすめ観光情報はそんな謎めく遺跡のうち、東ジャワ州の「ジェドン寺院」「ベラハン寺院」「ジョロトゥンド寺院」を紹介します。

 数々の名峰が連なる東ジャワ州。霊山として信仰されているペナングンガン山の山麓にジェドン寺院という静かなたたずまいの遺跡があります。丁寧に整備された敷地内にそびえる二つの塔のような建造物と樹齢を感じさせる大木。発掘された古代碑文から、この土地の歴史は古マタラム王国が移動してきた9世紀と見られ、このジェドン寺院は14世紀に免税地区への出入り口として建造されたのだそうです。この門を通り抜けた先が市場。インドネシアが統一国家になる何百年も前、当時の国交や貿易とはどういったものだったのか想像力がかき立てられます。
 ベラハン寺院は美しい女性像が目を引く沐浴(もくよく)場。東部ジャワ統一を果たし、文化芸術が最も花開いた時代を築いたとされるアイルランガ王による建設だそうです。霊山ペナングンガン山から引かれた湧き水は乾期でも絶えず、お清めや不老長寿・無病息災などの力があるとされています。
 2体の女性像はヒンドゥー教神話のスリ女神とラクスミ女神。ここが発見された時には二つの彫像の間に神鳥ガルーダに乗るウィスヌ神として神格化されたアイルランガ王の彫塑も残っていて、現在は博物館に収められているとのこと。ヒンドゥー教、この土地独自の山岳信仰・祖霊信仰が混在したような興味深いベラハン寺院遺跡。女神の乳房から水が流れ出ていることから別名「乳房の泉(SUMBER TETEK)」とも呼ばれています。
 ジョロトゥンド寺院はさらに特徴的な遺跡です。日本人向けにはほとんど紹介されていませんが、地元一帯では名の知れた観光地にもなっています。さすがは霊山とされる山の中、ここにもあそこにも神や精霊がいそうな環境に目を閉じて深呼吸をするだけでも心が洗われるような森の空気。「ジョロ」は水、「トゥンド」は「多層式」の意味だそうで、階段のような構造から豊富な水が流れ出てきています。現在でも聖なる沐浴場という信仰は続いているため、壁で目隠しされた男女別の沐浴場は順番待ちになることも。ここの水は現代科学でもミネラル含有量が豊富で上質だということが立証されているとのことで飲料水用にと持ち帰る人もいます。売店には大きなポリタンクが売られていました。
 オランダの植民地となる前のインドネシア、さらにさかのぼりイスラム教伝来前のインドネシアにも壮大な歴史があります。日本の教科書やガイドブックには出ていない知られざる遺跡めぐりは、ミステリアスな歴史というジグソーパズルのピース集め。皆さまも少しずつ訪れては組み合わせ、謎解きパズルを完成させてみませんか。(産経海外ファミリークラブジャカルタ、水柿その子、写真も)

◇東ジャワ遺跡めぐりの旅
産経海外ファミリークラブジャカルタ
ASTRINDO TRAVEL SERVICES
電話 021・3907577
メール mizugaki@astrindotour.co.id
フェイスブック www.facebook.com/sankei.jakarta/

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