【留学フェア特集2012】 新興国 留学生の宝庫 震災乗り越え  関心高まる 仲介者不在で他国流出も

 インドネシアの学生に日本の大学や大学院、語学専門学校への留学を呼び掛けようと、日本学生支援機構(JASSO)主催の第19回日本留学フェアが29日に東ジャワ州スラバヤのシェラトン・ホテル・スラバヤで、30日に中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)で開催される。今年は参加機関数が昨年の27から47へと急増。海外から優秀な学生を募り、活性化を目指す教育機関が新興国インドネシアに熱い視線を注ぐ。在インドネシア日本大使館で留学など教育を担当する本村宏明一等書記官と、JASSOジャカルタ事務所のフェラワティ代表に聞いた。(配島克彦、小塩航大)

■教員の人脈頼り
 2008年、20年までの達成を目指す「留学生30万人計画」を福田康夫首相(当時)が提唱し、国際化拠点整備事業(グローバル30=G30)が実施されて以来、留学生数は増加してきたが、東日本大震災の影響で11年5月には前年比で3千700人減少し、13万8千人となった。
 しかし、インドネシア人留学生は28人と減少幅は最小だった。本村書記官は「日本へのインドネシアの国費留学生の申請者数は増え、学部では2522人。世界の申請者数7912人の32%を占めている」と指摘する。世界的に減少傾向にある中、インドネシアだけが増加しているという。
 この背景には、インドネシアでは日本留学を経験した大学教員が日本の母校の教員とネットワークを構築し、教え子を留学させるケースが他国と比べても顕著であることなどが挙げられる。
 個人のつながりから、大学間の協力関係構築に至るケースが多く、日本とインドネシアの大学が締結した協定の数は441件に達した。文科省の短期留学制度を利用する大学も増えているという。
 大学間の交流としては、昨年、ジャカルタで開いた日イ副学長会議に続き、近く東京で初の日イ学長会議を開催し、学生や教員のさらなる交流強化を図る方針だ。

■複雑な諸手続
 一方で、インドネシア人留学生は2162人と全体の1.6%にとどまっており、ベトナムやマレーシア、タイより少ないのが現状だ。内訳は学部の国費留学生が86人、私費が407人、大学院でもそれぞれ473人、998人と私費留学生が圧倒的だ。私費の中には、インドネシアの教育文化省や各州政府が支給する奨学金受給者も含まれている。
 JASSOのフェラワティ氏は「自費での留学を考える学生は富裕層。豪州や米国、シンガポールと比べ、日本の国立大の学費の安さに驚く」と話す。安くても、最初につまずくのが言葉の壁。大学側が英語で対応しても、専攻内容や教師陣などに関する説明を得るために、メールなどを通じてやり取りするには限界がある。複雑な入学手続きを自分で進められず、日本留学を断念する人も多いという。
 豪州などは仲介業者を通じて諸手続きをすべて代行する留学支援体制を整備しており、多少高くても、スムーズに手続きが進む国の学校に学生は流れてしまう。日本語学校などでは、手続きを代行する元留学生なども出てきているが、まだ少数だ。インドネシアに開設された日本の大学事務所も、学生への学校紹介が主な業務となっている。
 しかし一方で、インドネシアを代表する有識者たちが設立した学生支援組織「LNI・IIFE」が「博士3万人創出計画」を掲げ、優秀な学生の留学支援を行うなど、海外の大学との橋渡しをするような機関もインドネシアで生まれている。日本の大学がこうした機関と連携し、インドネシア国内で選抜された優秀な学生にアプローチすることも容易になっているという。
 現在、インドネシア人の留学先のトップは豪州、2位はシンガポール、3位はマレーシアと隣国が上位を占め、日本は中国、米国、エジプト、ドイツに続く8位。上位各国は、いずれも英語で学位を取得できることも魅力だ。
 日本でもG30採択大学をはじめ、英語のみで学部留学が可能になった大学も増加傾向にある。同志社大のように留学生に特化した学部を新設し、奨学金を充実させるなどして、20年までに3500人の留学生受け入れ計画を掲げる大学も出てきている。

特別企画 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly