【顔】 アグス・スパンディ(47) 日本帰りのオジェック

 1週間の仕事が終わった土曜の夜。社長のヤマダさんが寮に持ってきたおつまみの味。日本の寒い夜、ビールが美味しかった。しょうゆをつけたマグロの刺身は、大好きだった。
 1990年7月―93年6月まで、静岡県・浜松にある服飾関係の会社で働いた。どこを歩いても、道がきれい。道を行くと、近所のおばさん、通学する小学生があいさつする。「アリガトウ」「サヨヲナラ」。日本からパキスタンへ送るリサイクルの服を仕分ける時、同僚のおばさんから日本語を学んだ。
 「カワイイ」。会社の同僚、タゴメさん。今も写真を持っている。背が高く色が白く、インドネシアにないその笑顔に、淡い恋心を抱いたことも。「日本人はいつも礼儀正しく優しかった」。忘れられない20代の思い出だ。
 ジャカルタ生まれ。ブタウィ人でムスリム。妻、息子3人と西ジャカルタのクボン・ジュルックに在住。日本から戻り、オートバイタクシー(オジェック)の運転手になった。プラザ・インドネシア裏手に広がる駐輪場。会社員たちのオートバイは日本製ばかり。今日も駐輪場を取り仕切り、オートバイを走らせる。

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