【スナンスナン】最高の波を求めて 国際サーフィン「リップカールカップ・パダンパダン」 1日だけの大会

 オーストラリアの大手サーフ・ブランド「リップカール」主催の国際サーフィン大会「リップカール・カップ・パダンパダン」がバリ島バドゥン半島のパダンパダン・ビーチで開かれる。サーフィンは自然相手のスポーツ。14年目を迎えることしは7月10日から8月10日までの待ち期間を設け、最高の波が立つ1日だけ、海外から招かれたトップサーファーとインドネシア人サーファーが技を競い合う。

 パダンパダンは世界クラスの波が立つ、国内外のサーファーにとって憧れのビーチだ。白い砂、エメラルドグリーンの海、インド洋の荒波で深くえぐられた岩肌など、まるで劇場のような光景に引かれ、今では一般の人たちも大勢訪れる観光名所になっている。
 開催記念式典が開かれた10日、沖には2メートルほどの高さの波が立っていた。端から徐々に崩れ始め、先端が内側に巻き込むドラマチックな波。大会では、この時にできる筒状の空間(チューブ)の中を滑る「チューブライディング」を競う。いかにスムーズに中に入り、長くとどまり、またスムーズに出てくるか、が勝負になる。この波の高さが3メートルから4メートルになること、また波の斜面がきれいに出る南東の風が吹くことが競技開催の条件だ。十分な波が立たず、大会がとりやめになったことも過去2回ある。
 チューブライディングについてバリ在住のサーフィンインストラクターの杉本望さんは「上級者が習得を目指す難易度の高い技で、波に巻き込まれる危険も大きい。時速30〜40キロで通り抜けるのだが、バイクで80キロで飛ばしているような感覚がある」と話す。
 大会には当初から外国人選手と同じ数のインドネシア人サーファーが出場する。リップカールのジェイムズ・ヘイディさんは「これまで海外勢が優勝したのは2回だけ。サーフィンがインドネシアに根付いてまだ30〜40年というのに、これは素晴らしい成果。大会はインドネシア人サーファーの実力を世界に知らしめる機会でもある」と話した。
 昨年、2回目の優勝を果たし、3回目を狙うバリ人のメガ・スマディさん(28)は「体格や筋力では海外選手に劣るが、サーフィンで大事なのはコアの強さ、バランス感覚、柔軟性、そして波を知っていること。これらが地元サーファーの強みだ。大会を機に大勢の人がサーフィンに興味を持って日焼けを恐れずに挑戦してほしい。自然相手のスポーツなので、環境に対する意識も高まるから」と話した。
 ことし出場するのは、米国、オーストラリア、ブラジルからの8人と、インドネシア人8人。いずれもこれまでの成績を基に選ばれた著名なプロサーファーたちだ。波や風向きについては継続してモニタリングが行われており、開催日や競技の様子はウェブ(www.ripcurl.asia)でチェックできる。(北井香織、写真も)

◇リップカール 1960年代の終わりにオーストラリアの2人のサーファーが創業したサーフィン関連商品の会社。ボードやウェットスーツのデザインと製作に始まり、現在では、水着、防水時計、各種アクセサリーなど幅広い商品を手がけている。 オーストラリアでは世界プロサーフ連盟(WSL)のサーフ競技であるリップカールプロを毎年開催している。

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