【じゃらんじゃらんバタム特集(2)】 観光と工業の両立を目指す 工業発展象徴の橋と 甘いドラゴンフルーツ

 南シナ海に架かり、バタム島とトントン島を結ぶトゥンク・フィサビリラ橋。支柱から張られるケーブルが直接橋梁を支える斜張橋の形態を持ち、全長642メートル。1990年代に建設されたこの橋はバタム島の工業発展の象徴とも捉えられている。
 ピンと貼られたケーブルをくぐり、トントン島に入る。車で10分も走ると周囲にヤシの木のような低木が並ぶ一帯が目に入る。バタムが名産にしようと生産を進めるドラゴン・フルーツだ。
 バタムのドラゴンフルーツはベトナムやマレーシアから伝来したと言われている。ドラゴンフルーツはサボテン科ヒモサボテン属の果実で、表面にサボテン科果実特有の緑色の突起がある。果実は白と赤色のものがあり、バタム島では赤い果実が好まれている。
 赤い果実は通常のドラゴンフルーツよりもほんのり甘く、ドリンクにすると酸っぱさより甘みが勝り、ややとろりとした舌触りだ。特に5―7月が旬の時期。ドラゴンフルーツはビタミンや食物繊維、ポリフェノールなどが豊富で、バタム島のルジャン・ルサック村でドラゴンフルーツの農園を営むファサニ・スンビリンさんは「コレステロールの減少や下痢などに効果があると言われ、インドネシア人にとっても重要な食べ物」とドラゴンフルーツの魅力を語る。
 バタムでは2年前にドラゴンフルーツ農園が病気に襲われ、壊滅的なダメージを受けたが、現在ではほぼ回復し、農家は栽培を続けている。「今は前と同じように販売できるよ」とファサニさん。バタム島の南に位置するトントン島のほか、セトコ島などではドラゴンフルーツやパパイヤのジュースが楽しめる。価格は一杯5000―1万ルピアほどだ。
 バタムは1970年代、当時のスハルト大統領の特命を受け、科学技術応用評価庁(BPPT)長官として開発に取り組み、後に副大統領、大統領にもなったハビビ氏の肝いりプロジェクトとして開発が進み、輸出拠点として製造企業が集積、現在は自由貿易地域(FTZ)に指定されている。
 バタム市長のアフマド・ダフラン市長は「バタムの魅力は工業だけではなく、食べ物や景観など幅広い。観光分野と両立した地域として売り出していきたい」と語った。(バタム特集終わり)

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