【投資特集】 「中小企業つながる場に」 クロスコープの庄子代表取締役 日系が開設、年内に新拠点

 昨年十一月にレンタルオフィスをスディルマン通りのUOBプラザに開いたクロスコープ・インドネシア社。中小、ベンチャー企業の海外進出では資金力の弱さや新たなパートナー探しの難しさがネックになる中、庄子素史代表取締役(三七)は「進出をサポートし、優れた技術を持つ日系企業同士が業種も越えてつながるプラットホームにしたい」と意気込む。
 全三十五室で、個室賃貸の利用料金は一カ月四百五十ドル(二人用)から。同社住所で法人登記が可能で、進出に必要な手続きも代行する。法律や税務など各分野の専門家への相談サービスを無料で提供し、取引相手の紹介にも力を入れる。契約法人はシンガポールの同社オフィスを割安で利用することができる。
 クロスコープは日系企業が開設したレンタルオフィスとしては最大規模で、月に十社ペースで新規契約を獲得している。年内にはジャカルタ南部に新拠点を開く予定だ。
 仙台出身の庄子代表取締役は、大学卒業後は一般企業に就職し、営業や企画畑を歩んだ。IT企業や中小企業のコンサルティングに携わるうちに、日本国内の厳しい現状を知り、海外へ目が向く。二〇〇六年に会社を立ち上げ、東京に三拠点持つレンタルオフィス事業を二〇一〇年からシンガポールで展開した。
 海外の開設はシンガポールに続き二カ国目。拠点を今後増やし、仲介役として、東南アジア各国に進出した中小企業同士の横のつながりを深めることを目指す。IT分野など中小企業の進出が加速しているベトナムのほか、中国などへの進出を視野に入れている。
 低迷する国内市場や円高を理由に、海外に活路を求める中小企業の進出が続くと見込む。ジャカルタ進出は、自ら足を何度も運んで加速する中小企業の進出を肌で確認した上の決断だ。
 世界の成長センターと称されるアジア。「中東や欧州、南米と対峙する地域間競争がさらに激化した時、国という単位を越えた連携がカギになる」と話す。「日本の中小企業が旗振り役となり、アジア発で世界に通用する商品を生み出してほしい」
 「日本がいつか『鎖国』を解いたとき、乗り込んできた海外の大手企業を相手に苦労するに違いない」。そのとき、最前線で活躍するのは海外に飛び出して経験を積み重ねた人材だ。「切り込み隊長を支えたい」。そんな思いも事業の根底にある。(岡坂泰寛、写真も)

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