【モーターショー特集】　各社がしのぎ削る（４）

◇燃費効率上げた新型−アウディ
　インドモービル系で独アウディの販売代理店のガルーダ・マタラム・モーター（ＧＭＭ）社は、燃費効率を向上させた２.０ＴＦＳＩエンジン搭載の高級セダン車「Ａ６」の新モデル「Ａ６　２.０ＴＦＳＩ」を発表した。Ａ６　２.０ＴＦＳＩは４気筒エンジン搭載で、１８０馬力。７月に先行したシンガポールに次ぎ、東南アジア諸国で２カ国目の投入となった。
　新モデルの販売目標として、今年１２月までに４５台、来年１年間で１２０台に設定しており、ＧＭＭ社のアンドリュー・ナスリＣＥＯ（最高経営責任者）は「インドネシアの若年の富裕層を取り込みたい」と話した。

◇超富裕層狙う−ＢＭＷ

　ＢＭＷインドネシア社は２０日、「７シリーズ」の新型高級セダン車「ＢＭＷ７４０Ｌｉ」を発表した。３リットル直列６気筒エンジンを搭載し、最大出力は３２０馬力で、トランスミッションは８速ＡＴ。価格は１９億８８００万ルピア（約１６３０万円）。
　同社ブースでは、ほかに今年８月に発表した「６シリーズ」で初めての４ドアモデル「ＢＭＷ６４０ｉグランクーペ」（価格１６億２８００万ルピア＝約１３３５万円）など計１０台が展示された。
　ＢＭＷインドネシア社のラメシュ・ディヴィアナーザン社長は、インドネシア市場について「超富裕層はまだ１％しかいないが、可能性は底知れない。どんどん拡大する富裕層をターゲットに顧客を拡大していきたい」と話した。

◇小型ＳＵＶを発表−ＶＷ
　独フォルクスワーゲン（ＶＷ）の総販売代理店のガルーダ・マタラム・モーター社は、新型の小型ＳＵＶ（スポーツ・ユーティリティー・ビークル）「ティグアン」と新型ハッチバック車「シロッコ」を発表した。
　ティグアンは２１０馬力のＴＳＩ２.０リットルエンジンを採用し、走行開始から時速１００キロまで７.９秒で達する加速性能が特徴の一つ。燃費は１リットル１８.８キロ。ドイツで製造している。
　販売開始は２０１３年になる見通し。同社のアンドリュー・ナスリ最高経営責任者（ＣＥＯ）は販売価格について、ＴＳＩ２.０リットルエンジン搭載モデルが６億ルピア（約４９０万円）ほど、ＴＳＩ１.４リットルエンジン搭載モデルが４億ルピア（約３２７万円）ほどになる見込みだと明らかにした。

◇２車種を発表−起亜

　韓国系の起亜モーター・インドネシア社は中型ＳＵＶ（スポーツ用多目的車）の「ソレント」と「リオ・セダン」のインドネシア市場への投入を発表した。
　ソレントは２.２リットルのガソリンエンジンと２.４リットルディーゼルエンジンを設定。トランスミッションはともにオートマチック。リオ・セダンはすでに販売されているハッチバックのセダン版。２車種とも価格は未定だが注文の受付を開始し、納車は３−４カ月後になる見通し。

◇低価格車に意欲−吉利
　昨年に続き２度目の出展となった中国の吉利モービル・インドネシア（ＧＭＩ）社は、７台を展示した。
　排気量１０００ｃｃのコンパクトカー「パンダ」や小型ＳＵＶ（スポーツ・ユーティリティー・ビークル）の「ＬＣ（パンダ）クロス」、セダンのエムグランド７が主力。排気量１８００ｃｃのエムグランド７は２億３５００万ルピア（約１９３万円）。セダン「ＭＫ」、ハッチバック「ＭＫ２」なども並べている。
　ＧＭＩ社のホセア・サンジャヤ社長は、政府がまとめている低価格グリーン・カー（ＬＣＧＣ）プログラム」への参加を表明。「パンダのプラットフォームを用いて開発する。パンダの価格は、９８００万ルピア（約８０万円）だが、政府が、プログラムを通じより多くの国民が車を購入できるようにしたいということであれば、価格をさらに下げることも可能だ」と述べた。来年にも年間生産能力が１万台の工場を西ジャワ州ボゴールに稼働させ、市場で圧倒的なシェアを誇る日系メーカーと争っていくことに自信を見せた。

◇新型ピックアップ−フォトン

　中国の商用車大手、北汽福田汽車（フォトン）は２０日、ピックアップ「トゥンランド」ダブルキャビンのマニュアルタイプを発表した。価格は、２億３５００万ルピア（約１９３万円）。年末までに約５００台の販売を目指す。
　記者会見では、初日の２０日に、トゥンランド計１００台を特別価格の２億１５００万ルピアですでに販売したと明らかにした。ブースでは、ジャカルタなどで救急車として使用されているワンボックス車「ＶＩＥＷ」も展示した。
　フォトン・インドネシア社のユ・ドン・ウェン副部長は「国内自動車販売が９０万台を超えるインドネシアの競争力ある市場で勝負していきたい」と話した。