【スナンスナン】植物の力できれいに健康に バリ島ウブドの薬草ワークショップ
フェイスマスク、ボディースクラブ、ヘアクリーム……バリ島ウブドのコマン・アンジェロさんの店「アンジェロストア」には、コマンさんの家族が店の奥で天然素材だけで作っているさまざまなスキンケアやヘアケア製品が棚にびっしりと並んでいる。そのいくつかをアンジェロさんの指導で作りながら、植物が持つ力や効果的な使い方について学ぶワークショップに参加した。
テーブルの上にエプロンと一緒に置かれていたのはショウガなどの根茎類、どこかで見たことのあるような葉っぱ、花びら、野菜など。全てバリの伝統市場で容易に手に入るものという。まず、ウコン、ガランガル(インドネシアではルンクアスと呼ばれる非常に硬いショウガ科の根茎)、キンマの葉(ダウン・シリ)を使ってジャムー(伝統健康飲料)を作った。刻んで、石臼ですり潰して、タマリンドで酸味を、パームシュガーで甘みを加えて、煮込んで出来上がり。苦そうな濃い黄色をしているが、さっぱりして飲みやすい。「ウコンは全てのジャムーの基本となる成分。血行を促し、免疫力を高めます。抗菌作用のあるキンマの葉を加えて浄化作用も高めてあります」とアンジェロさんが説明した。
次は、バリではボレーの名前で知られるボディトリートメント剤。ショウガ、ガランガル、赤米、コリアンダー、クローブで作る。角質を取り除いて肌を滑らかにするだけでなく、筋肉痛や体臭を抑える効果もあるという。「泥に漬かった農作業で体が冷えたら、これを体に塗りつけて元気を回復しました。こめかみや眉間、耳の後ろに塗れば頭痛が治りますよ」。塗ってみるとスースーとした快い刺激。香りにも効果がありそうだ。
アンジェロさんは父親から健康に役立つ植物について学んだ。そして家に伝わる伝統のレシピにバリ以外からの素材や独自のアイデアを加えたりしながら、さまざまな種類のボディーやスキンケア製品を作った。「昔から変わっていないのは防腐剤などの薬品は一切加えていないこと。開封後は冷蔵庫で保管して、容器に記した使用期限内に使い切って」と話す。
一緒にワークショップに参加した、京都で自然食カフェを経営する隅岡樹里さんは「日本にも薬効成分のある植物は生えているが、インドネシアのそれは非常に多様で豊か。今回作ったのはそうした植物の力を生かしたぜいたくなものばかり。京都で育ちそうなものがあれば、植えて作りたい」と話した。
ワークショップは約2時間半で、最後に15分程度の指圧マッサージがある。参加人数は1人から5人までで予約制。1人25万ルピア。作ったジャムーはその場で飲み、それ以外は持ち帰る。(北井香織、写真も)
◇ANGELO STORE
住所 Jl. Sugriwa No.10, Ubud, Bali
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