【スナンスナン】おしゃれな街の小さな贅沢空間 スミニャックのLホテル

 「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)」は、英国のホテル管理会社が独立系の小規模な高級ホテルに対して授与しているブランドだ。条件は独自のコンセプトを持ち大規模施設では経験できないパーソナルかつ思い出深いサービスが受けられること。現在、世界70カ国、約520軒のホテルが加盟しているが、審査が厳しく年間千件の申し込みに対して認められるのは50軒ほどと言われている。現在インドネシアでは5軒が認められており、うち3軒はバリ島にある。そのうちの一つ、Lホテルを紹介する。
 個性的なブティックや多国籍のレストランが集中するスミニャックに位置する30部屋のLホテル。一見、南部を中心に次々とオープンしているシティホテルのようなシンプルな外観だが、細部への気配りで大きな差をつけている。
 例えば24時間のバットラーサービス。希望のレストランの予約、アイロンがけ、コーヒー紅茶を無料で部屋まで運ぶなど、滞在中の細かなリクエストに応じる。バットラーを呼ぶのは部屋に用意されたローカル番号の携帯電話だ。近隣地区への送迎サービスを利用する際などに持ち歩き、迎えに来て欲しくなったら、電話に記録されたバットラーの電話番号を押せばいい。
 両側に読書灯がついたベッドは最高級のキングコイル社製。枕は形状や中身が異なった6種類の中から選べる。アメニティには米国の自然派化粧品ブランド「キールズ」のスキンケア、ヘアケア用品一式。拡大鏡に体重計、クロゼットを開けるとちょっとした買い物に使える手提げバッグの備えもある。
 周辺には徒歩圏内に和食を含むレストランが多数があるが、ホテル内も十分魅力的だ。1階の洗練されたインドネシア料理を出すファインダイニング・レストラン、屋上のバーは、スミニャックの街の向こうにインド洋が見渡せる。DJの奏でる程よい音量の音楽と夕日を楽しみながらお酒を飲めたり、鉄板焼や欧風料理などのしっかりした食事もできる。
 ベッドの上にはサルやゾウなどの動物の形に折ったバスタオル、「1日1個のリンゴで医者知らず」と書かれた横に置いた東ジャワ州マラン名産のリンゴ、一人客には金魚が出迎えてくれる。広々としたプールや庭園はないが、記憶に残るホテルだ。(北井香織、写真も)
L ホテル
住所:Jl. Raya Petitenget No.8, Seminyak, Bali
☎0361・733・147
ウェブ:www.thelhotels.com

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