4つのパート、調和する歌声 サザンクロス混成合唱団

 「まずは背伸びから!」。南ジャカルタ・プジャテンにある「スタジオ・シナン」。練習は夕方、指揮者の草薙隆文さんの掛け声から始まった。ゆっくりと体をほぐし、心も体も歌う状態に切り替えていく。
 サザンクロス混声合唱団は毎週土曜と火曜(男声)にジャカルタ・ジャパンクラブ(JCC)の会議室やスタジオで活動している。部員は男女計27人でソプラノやアルト、テノール、テナーの4つのパートに分かれる。年齢層は20代後半から60代後半までと幅広い。
 21日に南ジャカルタ・ポンドック・インダのホテル・クリスタルで開かれるクリスマス・ランチパーティーでの発表に向け、10月から始めた練習も大詰めを迎えた。「ウィ・ウィッシュ・ユア・メリークリスマス」などクリスマスソングを歌う。
 上半身の体操と発声練習から始まり、音符で歌う「音読み」をパートごとに行っていく。自分の楽譜にメモをしたり、他のパートの歌声に熱心に耳を傾けたりしていた。草薙さんは「自分の身体を楽器に見立てて歌うための準備。単に歌うのではなくて、気持ちのこもった歌を歌ってほしい」と語る。
 約2時間、各パートでの練習で音を確認した後、全体で合わせていく。次第に厚みを増す歌声がスタジオに響き渡る。英語の発音を何度も確認する。「そこでフォルテ!」。草薙さんの合図で、曲は最高潮に盛り上がった。
■「皆でハーモニー」
 サザンクロスは2005年に発足。15年活動した混声合唱団「B&B」のメンバーの「どうしても歌い続けたい」という気持ちから、新しい合唱団として誕生した。
 11年にはホテル・ニッコー・ジャカルタで開かれた「東日本大震災復興応援コンサート」でトリを務め、12年には南ジャカルタ・クニンガンのウスマール・イスマイル・ホールで女声コーラス部「コール・ムティアラ」や男声コーラス部「メール・クワイヤー」、インドネシア人合唱団「ティムティワ・クワイヤー」との合同コンサートも開いた。
 松出和男団長は「仕事は仕事、歌は歌。そんなメリハリのあるところが良い」と合唱団の特徴を話す。高校時代に男声合唱部に所属していたことがきっかけで昨年1月に入団。今年6月から団長として団員を引っ引っ張る。
 「ここでは歌が好きという一点でつながりあえる。皆でハーモニーを作り上げていくことが合唱の醍醐味」と笑顔を見せる。初心者でも入団後一年経てば声が大きくなり、上達していく。日本に帰国してからも合唱を続ける人もいるという。(山本康行、写真も)

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