【じゃらんじゃらん特集】天に向かう山頂 ロンボク島リンジャニ山 コバルトブルーの火口湖も

 ロンボク島の3分の1を占めるリンジャニ山(標高3726メートル)。インドネシアで3番目に高いというだけでなく、指折りの風光明媚な火山として、雨期の入山禁止期間を除き毎日のように国内外から大勢の登山客がやって来る。1泊2日でリンジャニの山頂付近まで行った。 
 スンギギのホテルを朝5時に出発して3時間後、起点のスンバルン村に着いた。真っ青な空にリンジャニの山頂がくっきり見える。富士山より50メートル低いだけとは思えない。これなら楽に登れそうだと思った。
 真っ黒に日焼けしたガイドとポーターらにあいさつ。竹を組んだ粗末な籠の中に寝袋、水、食材、ジュース、お菓子、果物、調理器具などが詰め込まれている。全て登山ツアーに含まれるものだ。
 なだらかな低草地を延々と歩いた後、休憩地点でランチ。ポーターが張った日よけのテントの影でコーヒーを飲みながら食事が出来るのを待った。メニューはインスタント・ラーメンに野菜やチキンなどをたっぷり入れたもの。なかなかおいしかった。
 この後は、階段2段上がりの険しい道になった。足元の土は乾燥し砂状になっており、とても滑りやすい。歩くたびにほこりが舞い上がり、息苦しさが増した。木がまばらに生えた山間に霧が立ち始め、風の通る音がした。山が呼吸しているようだ。
 「ほら、あの木の立っている所がキャンプ地。もう少しの辛抱」。数分登るたびに腰を下ろしている私を見てガイドが言った。まだまだ先の高い丘の上だ。一つ登り終えると、また別のさらに高く長い丘が現れた。
 そんなことが何回か続いた。歩き始めてから8時間後、やっと火口の淵に到達した。天に向かって鋭く伸びる頂上が目の前にあった。眼下には絵葉書で見たあのコバルトブルーの火口湖があった。
 頂上を目指す場合は翌朝2時にキャンプ地を出る。4、5時間の滑りやすく険しい道でしかも両脇は急斜面だ。危険を感じて途中で引き返す人も多いと聞きテントで朝を迎えることにした。
 夜は冷たい風が吹き荒れた。テントから出て見上げた空はプラネタリウムのように星でぎっしり。ポーターが用意した熱いお茶がありがたかった。
 トレッキング・コースには1泊2日から3泊4日のコースまである。別の起点から湖を目指すコースには滝や天然温泉もあり、もう少し楽に登れるそうだ。(北井香織、写真も)

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