【ジョコウィ州政1年】州政に大きなうねり 人気維持も難問山積

 ジョコウィ・ジャカルタ特別州知事は15日、就任1年を迎えた。世論を追い風に矢継ぎ早に政策を打ち出す政治手法で、停滞していた州政に大きなうねりをもたらした。来年の大統領選挙の最有力候補と取りざたされているが、首都にはまだ多くの難問が山積している。  
 中部ジャワ州ソロ出身のジョコウィ氏は木製家具を扱う実業家、ソロ市長(2005年〜12年)を経て、闘争民主党から知事選に出馬。選挙戦途中から人気を集め、主要な政党連合らが支援する現職を破った。
 ジョコウィ知事の人気の源泉はカンプン(下町)を歩いて視察する政治手法だ。視察は1日に数カ所を渡る場合が多く、州知事番のテレビ局、新聞、ネットメディアが連日その様子を伝えてきた。汚職のイメージが付きまとう政治家のなかで、ジョコウィ知事が「市民の側に立っている」との印象が根付いている。
 ジョコウィ知事の人気は就任時から高く、来年の大統領選の本命になるほどだ。正副知事の所属する政党連合の議席率は州議会の18%に過ぎないが、世論の後押しが知事の政策決定を楽にしている。ニューヨークタイムズ、タイム誌など欧米メディアの取材も受けた。
 州職員出身の前知事時代に比べ、行政は速くなった。露天商密集地の中央ジャカルタ・タナアバンでは州が通告してから2カ月で撤去を敢行。露天商の一部を州営市場に入居させた。20年越しの都市高速鉄道(MRT)事業も2018年3月完工を目標に開始した。町長、郡長選抜試験の受験資格を全職員まで広げ、局長の業績評価も始め公務員の規律を高めるよう試みている。
 だが、この1年で、実現が難航する公約も多い。1月の首都大洪水以降、重要性を増した治水事業は低所得者層の移転問題に直面した。北ジャカルタのプルイット貯水池改修事業で1万7千世帯、チリウン川改修事業で3万6千世帯が転居する公営住宅(団地)の建設が急務だ。しかし、用地獲得で壁にぶつかっている。
 渋滞対策では、市民の移動手段を公共交通機関に振り向ける政策が道半ばだ。車両を増やしたトランス・ジャカルタは運行体制などに問題があり、輸送能力は不足したままだ。公共バスの州運営一本化も個人事業主らから反発を受けている。無料医療制度、低所得者層の教育費支援制度は対象者全員に適用されていない。
 ジョコウィ知事の任期は残り4年あるが、大統領選出馬が取り沙汰されており、政策が継続されるかは不透明だ。(吉田拓史)

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