【じゃらんじゃらん特集】 今宵はバリ産ワインで 年100万本製造、工場見学ツアーも 新興メーカー 「サバベイ」

 今から約20年前、インドネシア初の国産ワインがバリ島で誕生した。観光や富裕層の拡大とともに需要は高まり、バリでは少なくとも6つのワインメーカーがさまざまな銘柄のワインを生産している。輸入酒類に対する税金が大幅に引き上げられた現在、国産ワインは手頃な価格と質の良さで注目を集めている。ギアニャール県のサバ・ビーチを望む丘で去年操業を開始した「サバベイ・ワイン」の醸造所を訪ねた。
 建物の中に入ると巨大なスチールのタンクがずらりと並んでいた。その向こうにはブドウを潰して果汁を取り出す機械、反対側には瓶詰めと梱包を行うガラス張りの部屋があった。「生産量は1年間に100万本。インドネシア最大規模のワイナリーです」。フランス人技術者のビンセント・デスプラットさんが発酵用のタンクを見上げながら話した。ビンセントさんはかつてインドネシア初のワインの開発に貢献した人物。今はサバベイで品質管理や新製品開発を行っている。
 バリのワインには2種類ある。1つはバリ産のブドウから作るワイン。もう1つは、最近増えている、オーストラリアなどから輸入した濃縮ブドウジュースをバリで発酵させたものだ。サバベイでは、自国の農業を育てたいという創業者の強い思いから、あくまで100%国産にこだわっている。
 ブドウはバリ島北部ブレレン県の専属契約農家から直接買い取っている。広報担当のヨーケ・ダルマワンさんによると、以前、1キロ500ルピアという安値で仲介業者に売っていたが、栽培を指導し、生産性を向上させ、今は1キロ4000ルピアで買い取っている。契約している農民は175人だが、契約希望者は500人になるという。
 サバベイのワインは4種類。赤ワインを試してみたが、深みのあるフルーティーな味で親しみやすい。香辛料を多用したインドネシア料理と相性が良いとのことだ。醸造所では最小20人の団体を対象にした工場見学ツアーを無料で行っている。ビデオ上映、農家との対話、ワイン作り体験、試飲などが含まれる。(北井香織)
◇Sababay Winery
Jl. Prof. Ida Bagus Mantra, Bypass No.333
Banjar Lodpekan, Gianyar
0361-949098
ウェブサイト:www.sababaywinery.com

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