【じゃらんじゃらん特集】 モールに米国文化の牙城 多様なイベントを開催

 世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアの人々や在留外国人に米国文化に関する理解を深めてもらおうと、米国政府が2010年に開設した米国文化センター「アット・アメリカ」が好評だ。南ジャカルタのリッツ・カールトン・ホテル・パシフィック・プレイスの3階にあり、一般の映画館では公開されない米国映画の上映会など、多彩なイベントにも気軽に参加できそうだ。
 ブティックなどが並ぶ高級ショッピングモールの一角。正面の扉を開け、X線検査など厳重警備を通り抜け、ネオンサインに包まれた近未来風のロッカー室で手荷物を預ける。最後の扉を開けると、正面に「ウェルカム、アット・アメリカ」と書かれたラスベガス風の電子掲示板に迎えられる。
 黒人音楽の名門レーベル「モータウン」の名曲が繰り返し流され、米国ムードを盛り立てる。壁には至る所に映像や資料が投影され、これを見ているだけでも多様な知識を得ることができる。米国の開拓史や乗り物の開発史、奴隷制拡張に反対したリンカーン大統領をはじめとする偉人、各地の歴史的建造物などの紹介と盛りだくさんだ。
 右手にはグーグルが技術提供したグーグルアースの体験コーナー。計7面のスクリーンが連結され、中央のジョックを操作するだけで世界各地にひとっ飛び。迫力の立体映像で臨場感を楽しめる。
 アット・アメリカではアイパッドを無料で貸し出している。電子図書館や米国航空宇宙局(NASA)のアプリがインストールされており、伝記、歴史、科学などの資料を閲覧したり、インターネットで資料を探すことも可能だ。アット・アメリカのウェブサイトから会員登録をすると、イベント情報などが配信される。
■スタジオで文化ショー
 「米国にはどれくらいムスリムがいるか知っていますか」。メインの施設は200人を収容できるスタジオだ。インドネシアの中高生らを毎日招待し、セミナーやワークショップを開催。インドネシア語が流ちょうな米国人スタッフや米国留学体験者らが、バラエティーショーのようなノリで米国文化を紹介している。
 イベントに参加していた西ジャワ州ブカシ県の中学生、アザフラさん(14)は「アメリカに興味を持った。今度は家族と一緒に来てみたい」と話した。
 イベントの様子は、動画サイト「ライブストリーム」で生中継している。グーグルで「@America video」と検索すれば、録画された過去のイベントの映像を閲覧することもできる。
 同施設では、米国に対する学生たちの関心をさらに高め、米国にもっと留学してもらおうと、留学ブースも設置。相談員が常駐し、ノート型パソコンを前に学生たちの相談に乗っている。相談員は「米国人はムスリムを敵視しているのではないかとの質問が多い。治安をはじめとする現地の情報を伝えていきたい」と語った。(小塩航大、写真も)


◇@アメリカ
 毎日、午前10時ー午後9時まで。
 年中無休。入場料無料 
 ウェブサイト http://www.atamerica.or.id/
 住所 Pacific Place Mall 3rd Floor #325
 Jendral Sudirman Kav. 52-53 Kebayoran Baru

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