道路に潜む危険に注意
クナパくん 大量高速鉄道(MRT)が整備され、ジャカルタの中心部のスディルマン・タムリン通りが歩きやすくなったという話を前にしたよね。
記者 そうだね。確かにMRTが整備され、歩行・歩道環境が良くなった。
クナパくん でも、スディルマン・タムリン以外の通りは今も雑然としている。特に電線や通信回線といった空中架線がひどいことになっているよ。
記者 今年に入って、ジャカルタで架線に関連して大きな交通事故の犠牲者が2人出ているね。一人目は1月7日に南ジャカルタのアンタサリ地区で空中ケーブルに絡まり、もう7カ月間も呼吸困難状態が続いているらしい。2人目はオンライン・バイクタクシーの運転手さんで、7月28日に西ジャカルタのパルメラ地区で空中ケーブルに絡まり亡くなったんだ。
クナパくん こういった架線に関する規制は無いの?
記者 ジャカルタでは最低限、地上からの高さが4.2㍍必要だよ。日本の場合には、道路構造令で、車道の上の電線は、4.5㍍以上の高さにしなければならないと規定されている。実際には、電線のたるみや舗装での道路高のかさ上げもあるので、5㍍の高さが維持されているよ。欧米では、かなり架線の地下埋設化が進んでいるけれども、日本でも空中架線というのはまだよく見られる風景だね。東京都では8%しか地中化されていないとのことだよ。電柱や空中架線をノスタルジックだと感じ許容する考え方や、デジタル化でまだまだ整備の必要がある一方で地中化は初期投資やメンテナンスコストが比較的高いことなどが架線の地中化が進まない理由だね。
クナパくん 事故を受けて東ジャカルタ市長は、無秩序に張り巡らされた4.2㍍の規定を守らない空中架線を2.2㌔分切断したね。
記者 ジャカルタの場合、歩道に埋めてある地下ケーブルも一部地上に出ていて、足を取られそうで危ないけどね。
クナパくん さて、スマートシティを銘打つ新首都では、ドゥクアタス駅近くの共同溝展示場に見られるように、排水管・ガス・水道管・電気がしっかりと地下に入るように設計されているかな?