地球に優しい環境作りに

クナパくん　グリーンボンドって何？
記者　環境事業を行うための資金調達で発行する債券のことだよ。2008年に世界で最初に発行したのは世界銀行グループの国際復興銀行。昨年2022年は全世界で4437億ドルのグリーンボンドが発行されたんだ。
クナパくん　誰が発行するの？
記者　発行主体は一般事業者、つまりグリーンプロジェクトに対する投資・融資の原資を調達する事業者や、自身が実施するグリーンプロジェクトの原資を調達する金融機関、そして地方自治体もグリーンプロジェクトを実施する際に発行するね。
クナパくん　では、購入するのはだれなの？
記者　年金基金や保険会社などの機関投資家やＥＳＧ（環境、社会、ガバナンヅ）投資の運用を受託する運用機関や個人投資家だね。
クナパくん　インドネシアでも発行されているの？
記者　発行されているよ。最近の例では、先月４月27日に国営地熱開発会社のＰＴ　Ｐｅｒｔａｍｉｎａ　Ｇｅｏｔｈｅｒｍａｌ　Ｅｎｅｒｇｙ（ＰＧＥ）が、５兆9400億ルピア（４億ドル）相当のグリーンボンドを発行した。このグリーンボンドは年利5.15％で、満期は2028年だ。
クナパくん　投資家など購入者としては地球環境保護を支援するという良いイメージができるかな。
記者　そうだね。グリーニアム現象といって、グリーンボンドの利回り（年間利益）が普通債よりも低くなる場合に出てくるんだけど、環境保護事業を支援したいということで投資先として選ばれるよ。今回のＰＧＥのケースも国債から見ると低い利回りだね。
クナパくん　日本ではどうなの？
記者　自動車会社系のファイナンス会社が、電気自動車（ＥＶ）を扱う販売店への融資に充てたり、自動車製造会社はＥＶの開発資金に充てたりしている。ジャカルタ特別州と姉妹都市の東京都は、2017年度にグリーンボンド発行を開始し、20年度には発行額が300億円にのぼっているんだ。集めた資金で、東京オリンピック関連の施設における環境対策、太陽光発電設備、上下水道施設の省エネ対策、環境負荷の少ない都営バスの導入などに充てたよ。
クナパくん　地球に優しい環境作りが広がるといいね。