日本人の層の厚さ痛感 国際交流基金 塚本倫久所長

 国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの塚本倫久所長(47)が約4年の任期を終えて4日、帰国する。今回はユドヨノ政権時代に続く2度目の赴任となり、計9年間にわたって日イ間を結ぶ文化の架け橋として役割を果たしてきた。

 この間の象徴的な出来事といえば、「日本語パートナーズ」の大幅な規模拡大がある。日本語教員の経験不足などを補おうと外務省が2014年に始めた事業で、同基金では「生きた日本語を教えられる人材」をインドネシア各地に派遣してきた。
 「当初の派遣人数は70人規模だったが、2度目に赴任した16年から150人規模と倍加した。ジャワ島に絞っていた派遣先もスラウェシやスマトラなど13州に拡大。私どもの事業に関わる関係者が増え、事務所も大きくなったなぁ、と感慨深かった」
 「良質な日本映画をインドネシアに紹介していきたい」。そんな思いを抱きながら迎えた2度目の赴任だったが、16年に初めての日本映画祭がキックオフ。「赴任と同時に念願の映画祭が実現。うれしかった」と顔をほころばせた。
 その一方、この4年を振り返るときに強烈な経験として記憶に残るのは、18年の国交樹立60周年を記念する事業に関連する準備作業だったという。
 「足かけ2年。準備作業に深く携わることができた。日本側の関係者は出社前、『朝練』と称して朝7時半から会議するなど、仕事の枠を超えて日イ友好のために力を出し合っていただけた。まさにジャカルタ日本人社会の層の厚さを痛感するプロジェクトだった」 
 ただ、やり残したこともある。ジャカルタで展開する外国の文化機関、特にドイツ、フランス、イギリス、そして米国。各国機関との交流チャンネルはできたが、具体的な成果物を生み出すまでにはいたらなかった。「彼らと一緒にインドネシアのために何かしたかった」が、帰任が決まって今後の宿題になってしまった。
 さらに言えば、日本映画祭は実現したものの、インドネシアの人々の心に刺さるコンテンツを残すまでにはいたっていない。「朝の連続テレビドラマ『おしん』を超えるものがない。歌なら『心の友』で止まっているのではないか」。
 しかも高校生レベルでみると、日本アニメはなお人気ではあるが、「やっぱりK—POP、韓国ドラマ」。歯がゆい思いも残るが、それが明日の日イ文化交流を拓くバネになるのかもしれない。(長谷川周人 写真も)

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