学生デモって?
クナパくん 少し前のことだけど、9月に中央ジャカルタの国会議事堂周辺で、原色系の色とりどりのジャケットを着た若者がたくさん集まっているのを見たよ。一体なんだったのだろう。
記者 汚職撲滅委員会(KPK)の権限縮小を定めた改正汚職撲滅法案や、刑法改正法案に反対する学生デモのことだね。
国会議事堂前では9月23日、約1万人の学生が集まり、デモ隊の規模は30日ごろにピークを迎えた。西ジャワ州バンドン、南スラウェシ州マカッサル、ジョクジャカルタ特別州、東ジャワ州スラバヤなど、複数都市で同時に実施されたんだ。
クナパくん どうやって集まったの?
記者 全インドネシア学生評議会(BEM・SI)という、各大学の代表者の集まりが取りまとめていたよ。BEM・SIのメンバーが各都市ごとに集まって話し合ったり、ワッツアップを使ってデモの日程などを決定する。その決定に基づいて、各大学で学生に動員をかけるんだ。インスタグラムでも、呼びかけが行われたよ。
クナパくん デモの結果、改正汚職撲滅法や刑法改正案はどうなったの?
記者 改正汚職撲滅法案は施行が一時延期されたけれど、結局17日に発効したね。刑法改正案は施行延期中だけど、いつでも発行できる状態だ。BEM・SIは改正汚職撲滅法の無効化と刑法改正法案の再審議を引き続き求めているけれど、デモは10月以降、下火になっている。学生の間で「あきらめムード」が広がっている感じもある。
クナパくん このまま終わってしまうのかな?
記者 それは誰にも分らない。第2期ジョコ政権が終了する5年後、デモを主導した若者たちの中から、香港の黄之鋒氏のような民主化リーダーが現れることもあり得る。引き続き、学生たちを取材したい。
(高地伸幸)