報道陣に被害、これまでも?
クナパくん 5月22日前後に中央ジャカルタの総選挙監督庁(バワスル)周辺で暴動があったね。取材をしているメディアの人たちも、被害にあったと聞いたよ。
記者 じゃかるた新聞の記者をはじめ、メディアの取材が妨害されたね。独立ジャーナリスト連盟(AJI)によると、少なくとも記者20人が、警察や暴徒から被害を受けたそうだよ。
クナパくん どんな被害?
記者 AJIの報告によると、取材を妨害されるケースが多かった。バイクが燃やされたり、破壊されたりするケースが4件あった。取材道具が壊されたり、記録を消されたりする被害もあった。
クナパくん これまでもメディアへの被害は起きているの?
記者 AJIは報道関係者が受けた被害をデータベースにまとめているよ。2014年は40件、15年は42件、16年は81件、17年は66件、18年は64件。19年の報告(5月の暴動を含まず)には、メーデーの取材中に、警察にカメラを取られて記録を消されたり、スポーツのサポーターの取り締まりを取材中に妨害をされたり、すでに10件が報告されている。加害者は民衆、警察の順に多い。
クナパくん インドネシアの報道の自由は、高いの?
記者 国境なき記者団の報道の自由度によると、インドネシアは180カ国中、124位。記者団は、2018年2月にパプア州で取材していたBBCの特派員が一時拘束されたことを挙げ、政権が取材を妨害していると説明している。AJIは、報道関係者への被害が多いことも、自由度に影響しているとみている。
クナパくん 報道に対する被害に、みんなはどれくらい関心がある?
記者 これらの状況はよく報道されているけれど、「大衆の関心が薄いと思う」とAJIのメンバーで、CNNインドネシアのジャーナリストのジョニー・アスウィラさんは話していたよ。
クナパくん 取材中に妨害を受けても、その状況は伝えられる。なかなか関心を持ってもらえなくても、できるだけ記録に残しておきたいね。(木許はるみ、写真も)