2億人がレバラン祝う 1カ月の断食終える

 1カ月にわたるラマダン(断食月)が終わり、インドネシアの約2億人のムスリムは19日、レバラン(断食明け大祭=イドゥル・フィトリ)を迎えた。レバランはムスリムにとって最重要とされる祝祭。古里や行楽地で過ごす帰省客は、首都圏だけで約1600万人に上ると予想されており、帰省のピークとみられる16日から17日にかけての24時間で、ジャカルタ―チカンペック高速道の交通車両数は11万4607台を記録した。断食最終日の18日夕からレバランにかけて、国内各地に爆竹の音が鳴り響き、夜空を打ち上げ花火が彩るなど、断食を成し遂げた歓喜を爆発させた。今回のレバランは17日の独立記念日、土日に続く大型連休になっており、各地の行楽地も親子連れなどでにぎわっている。

■喜び、爆竹音に乗せる―ジャカルタ
 爆竹を囲む子どもたちに、新調した服を着込む女の子。紅白旗を振り闊歩する少年団は「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」と合唱する。18日午後6時、一斉に流れるアザーン(礼拝の呼び掛け)が最終日の断食明けを告げた。
 翌日のレバランを迎えることを祝う伝統行事「タクビラン」が各地であり、色とりどりの花火が夜空に打ち上がり、太鼓を打ち付ける音が街に響いた。中央ジャカルタのホテル・インドネシア前ロータリーや独立記念塔(モナス)広場には家族連れやカップルが繰り出した。
 中央ジャカルタ・メンテンのタンバック通りでは、巨大爆竹の爆発音が1時間に2回地面をたたいた。棒に吊り下げられた爆竹が通りの真ん中で、車の往来を阻む。住民らはお構いなしに、断食明けの喜びを爆発音に乗せた。ディア・ウィリー・アンティさん(23)は「一年で一番幸せな時間」と話した。
 タクビランから一夜明けたレバランを迎えた19日早朝、ムスリムたちは首都の各地で集団礼拝を行った。中央ジャカルタのプルチェタカン・ヌガラ2通りでは、ムスリム約900人が同時にメッカの方向へ祈りを捧げた。中央ジャカルタ・パサール・スネン前のクラマット・ブンドゥル通りなどでも数千人が集団礼拝を行った。礼拝を終えた人たちは家族で会食や墓参りなどをした。
 レバラン休暇に入り、各地の行楽地は大勢の市民でにぎわった。レバラン初日の19日、南ジャカルタのラグナン動物園には約2万9千人が来園。20日以降は1日10万人を超える日も見込まれるという。また北ジャカルタのアンチョール公園には同日、約1万5千人が訪れた。同公園を管理・運営するジャヤ・アンチョール開発公社はレバラン休暇中、約15万人の来場者を見込んでいる。(上松亮介)

■度胸試しの子どもたち―東カリマンタン州ブロウ島
 欧米や香港などからのダイバーの間で近年人気が高まっている東カリマンタン州デラワン県ブロウ島では、ラマダン中とはいえ、若者や女性は日中でも食事をしている人が多く、イスラム色はそれほど厳格でない。それでも18日、最後の断食が明け、夕暮れが深まると爆竹や打ち上げ花火の祝福が始まった。
 最初は爆発音におっかなびっくりだった子どもも、慣れてくると仲間同士でぶつけ合ったり、地面に置いた爆竹をサンダルで踏みつけて火を消す「度胸試し」に興じたり、お祭り騒ぎは次第にエスカレートしていった。
 外国人観光客の足下で炸裂させては、驚く姿を見て、はしゃぐ子どもたちが通りのあちこちで見られた。家の中で爆発させるいたずらっ子も。母親は「こら!」とばかり子どもの体をたたくものの、顔はにこにこしている。この日ばかりは多少のやんちゃも許されるようだ。
 翌19日は午前6時過ぎから集落の中心部であるモスクで礼拝。イスラム服や色鮮やかなよそ行きの洋服に着飾った10歳くらいまでの子どもは、親類の家などを周りながらお菓子やお小遣いをもらっていた。マリサちゃん(9)は1万ルピアを手にご満悦だ。使い道を聞くと「貯金するんだ」ときっぱり。連れていた年下の子どもたちも同様にうなずいていた。(道下建弘)

■変わりなく、日常送る―マルク州ケイ・クチル島
 キリスト教徒が多数派を占めるマルク州南東マルク県ケイ・クチル島。カトリックの居住地オイディリール村は、タクビランと無縁だった。電灯も十分に整備されていない浜辺沿いの村では、住民は午後7時ごろの日没とともに眠る生活を送る。
 18日夜も村は静まりかえった。一部のカトリックの若者たちが浜辺でミクロレット(乗り合いバス)に積んだ音響機器で米国のダンス音楽を鳴らしていたが、これもレバランとは無縁。高校生のマリオさん(17)によると、「レバランで学校は休み。せっかくだから楽しく過ごしている」とのことだ。一夜明けたレバランの19日は、キリスト教徒にとって礼拝日となる日曜日。教会からの賛美歌が村中に響き、変わらぬ日常を送っている様子がうかがえた。(吉田拓史)

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