食料高騰の影響じわり 家計のやりくりに苦心
悪天候などで、バワン・メラ(小さい赤タマネギ)やニンニクといったインドネシア料理に不可欠な食材の価格高騰が続いている。15日、西ジャカルタの伝統市場パサール・パルメラを訪れると、野菜販売業者は2倍以上に跳ね上がった仕入れ値に悲鳴を上げる一方、主婦からは購入を減らしているとの声が相次いだ。
パルメラ市場の一角で野菜を販売するスヤトミさんは「西ジャワ州ブカシのチキトゥン青果市場で、ニンニク、バワン・メラ、トウガラシ(チャベ・ラウィット)の仕入れ値が2倍に跳ね上がった」と話す。
仕入れ値に伴って売値も引き上げるため、客数も減少している。「安価な輸入品もあるけど、少し高くても品質の良い国産品を買い求める客は多い。早く値段が下がってほしい」と語った。
パサール・パルメラ近郊に住む会社員のヌルさんは「ニンニクは毎日料理に使うのに、値段が3倍以上に膨れ上がってしまい困っている。バワン・メラは2日に一度、500グラム買っていたけれど、今は料理に使う量を減らして、3日に250グラム程度に抑えている」と話した。
中央ジャカルタ在住の主婦ノライリさんも、料理に使うバワン・メラの量を減らした。「毎回5千ルピア分のバワン・メラを買っている。どうすれば値段が下がるのかしら」
政府も食料価格の抑制策に苦慮している。西ジャワ州デポックの市長は「自宅で栽培しよう」と呼びかけているが、ノライリさんは「うちに植える場所なんてないわよ」と苦笑した。(宮平麻里子、写真も)