ジョコウィ新知事就任 内相「メディアの寵児」激励 首都のインフラ整備加速へ

 中部ジャワ州ソロ市長のジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)氏は15日、中央ジャカルタのジャカルタ特別州議会で、1期5年を務めたファウジ・ボウォ前知事に代わり、第15代知事に就任した。任期は2017年までの5年。直接投票による第1回投票と9月20日の決選投票で現職のファウジ氏を破り、初当選したジョコウィ氏は、就任後100日で教育と保健分野に注力する一方、ジャカルタ都市高速鉄道(MRT=大量高速交通システム)など、インフラ整備を早急に進める方針を示している。(配島克彦、写真も)
 
 就任式は午前10時に州議会本会議場で始まった。白の制服と帽子の正装に身を包んだジョコウィ新知事とバスキ・チャハヤ・プルナマ新副知事は、議会前に集結した出身母体の闘争民主党やグリンドラ党の支持者ら約1500人をかき分けて登庁。ファウジ氏らと並んで議場に入った。
 州議会議員約80人、招待客約千人が見守る中、ガマワン・ファウジ内相が大統領決定に基づき、ジョコウィ氏、バスキ氏を正副知事に任命すると宣言した後、両氏が就任の宣誓をした。
 ガマワン内相は、ジョコウィ氏について「メディアの寵児(ちょうじ)となり、あらゆることが詳細に至るまで報じられている」と評した上で「乗客の少ないAD(ソロのナンバープレート)の車から、さまざまな乗客が乗っているB(ジャカルタ)の車に乗り換えた。規模が異なる環境であることを肝に銘じ、新しいジャカルタを築いてほしい」と激励した。
 就任式後、ジョコウィ氏は議会前に仮設されたステージに上り、大通りを埋め尽くした支持者を前に「これから毎日懸命に仕事をします」と短くあいさつ。ジョコウィ陣営のトレードマークのチェック柄のシャツを身に付けた支持者たちは、選挙戦で使ったジョコウィ氏の歌を合唱するなどして熱狂的に迎えた。
 一方で、独立記念塔(モナス)に面する知事官邸前には、ジャカルタの電気街・西ジャカルタ・グロドック周辺の露天商や駐車場整理員ら20人が集まり、新知事に対し「露天商などの一斉撤去は断固拒否する」と訴えた。
 ファウジ前知事時代、厳重警備体制が敷かれた知事官邸はこの日、新知事の支持者に開放されてごった返した。同日午後、ジョコウィ氏のイリアナ夫人が公務員婦人会や手工芸協会のジャカルタ支部長に就任する式典で、ジョコウィ氏は早速、婦人会の活動に注文を付け、「ゴシップに終始する井戸端会議でなく、市民が成果を享受できる活動なら予算も増やしたい」「社会活動も(高級住宅地の中央ジャカルタ)メンテンでなく、カンプン(下町)を回ってほしい」などと庶民派で鳴らすジョコウィ節を披露し、拍手喝采を浴びた。
 ジョコウィ新知事は14日、メンテンの知事公邸に入居。ソロの自宅から、自ら作った木製のベッドなど家具を持ち込み、新生活を始めた。バスキ新副知事は北ジャカルタ・アンチョールの新興住宅に家を購入したばかりだが、公邸も使用する予定という。

◇ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)
 1961年中部ジャワ州ソロ生まれ。ムスリム。ガジャマダ大学(UGM)林業学部卒業後、製材会社勤務を経て、家業の家具業を継ぐ。輸出に注力し欧州各地を訪れる。2005年、ソロ市長に初当選。10年には90.8%の記録的得票率で再選した。

◇バスキ・チャハヤ・プルナマ(通称アホック) 1966年東ブリトゥン県生まれ。プロテスタントの華人。プラセティヤ・ムルヤ・ジャカルタ経営大学で経営学修士を取得後、鉱業関連会社社長など実業界で経験を積む。2004年から東ブリトゥン県議会議員、05―06年同県知事、09年国会議員(ゴルカル党)に就任。12年州知事選出馬に伴いグリンドラ党に転籍した。

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