週末からラマダン 日系、シフト前倒し 娯楽施設営業を規制

 ラマダン(断食月)入りが20日ごろに迫っている。インドネシアのムスリム約2億人が聖なる月を控え、日系企業や政府機関もそれぞれ対応をとる。
 日系企業では、従業員が午後6時ごろの1日の断食明け(ブカ・プアサ)前に帰宅できるよう、シフトの前倒しや昼休みの短縮などで、終業時間を早めるのが一般的。ブカ・プアサを従業員で祝い、食事を振る舞う企業もある。日系企業の工場は8月15日―26日の休業が多い。

 社団法人日本貨物検数協会インドネシア現地法人の佐久間武美シニア・アドバイザーは「政府は8月13日から26日まで(ジャワ島での)車両交通規制を検討している模様だ」と語った。規制やトラック運転手の帰郷などで、国内の運輸が滞る可能性がある。「今年は8月17日の独立記念日とレバランが重なり、休みが長いため、港湾での輸出入貨物の滞貨が予想される。例年より多い数量になるだろう」
 飲食店を展開する鮨清グループの森屋和男代表は「ラマダン入りの前に、健康に気を付けるよう呼び掛けるミーティングを行っている。ブカ・プアサの時間帯は、お客さんが混み合うので、交代制にしている。数回は従業員皆でブカ・プアサを祝っている。従業員は味をみれなくなるため、日本人が代わりにやらなければいけないといった影響がある」と話した。

■午後3時に終業
 ジャカルタ特別州は州知事決定で、ラマダン中は勤務時間を90分減らすと発表した。30分早く始業し、終業時間を2時間前倒しにする。午前8時―午後3時までの勤務。
 また、州はラマダン期間中の風俗・娯楽施設の営業規制を行う。全面的に営業が禁止されるのは、ナイトクラブ、ディスコ、サウナ、スパ、バー、ゲームセンターの6業種。カラオケとライブハウス併設型は午後8時半―午前1時半、カラオケ、ライブハウスは午前10時―午前0時の営業時間の厳守が求められる。


■ラマダンとは
 イスラム歴(ヒジュラ暦)の第9月がラマダン(断食月)。ラマダンは預言者ムハンマドが啓示を受けた聖なる月。
 約1カ月、日の出から日没まで一切の飲食を断ち、1日最低5回の祈りを捧げ、心身の修行に励む。
 マグリブ(日没後、断食を終了する時間、午後六時前後)を迎えると、家族や仲間たちと断食明け(ブカ・プアサ)の食事をとり、礼拝を行う。
 断食はムスリム5行の一つ。ほかに信仰告白、礼拝、喜捨、巡礼がある。毎年、宗教省やイスラム団体が直前にラマダンの開始日を発表する。

■レバランまでの日程
 ラマダン 7月20日、21日―8月18日ごろ
 レバラン(断食明け大祭=イドゥル・フィトリ) 8月19日ごろ
 レバラン休み(独立記念日とつながる) 8月17日―24日ごろ
 日系企業工場の休業 主に8月15日―26日ごろ

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