船でジャカルタの「パリ」へ プラウスリブ・パリ島 アンチョールから約1時間
高層ビルが林立し、渋滞も多い首都ジャカルタだが、取材でひと際のどかな場所に行く機会を得た。北ジャカルタのアンチョールから船で日帰りでも行けるプラウスリブの島々はジャカルタ屈指の観光スポット。今回はパリ島を訪れた。
パリ島はジャカルタ特別州プラウスリブ県に位置する。「プラウスリブ」はインドネシア語で「1000の島」を意味するが、プラウスリブは約120の島々からなる。
筆者はジャカルタ在住20年以上にもかかわらずプラウスリブに行ったことはなかった。初の機会に年甲斐もなくワクワクした。
アンチョールの船乗り場で見た乗船料は片道16万ルピア。高いのか安いのかなんとも判断がつかなかった。定期船の出発は午前8時だという。
パリ島に着き、船を降りると、魚のエイの像があった。エイはインドネシア語で「イカン・パリ」。島の周囲にエイが多く生息することから島の名前がつけられたという。
島内を歩くと自動車を見ないことにふと気付いた。自転車に乗っている人や、ガソリンを燃料とするバイクよりも電動バイクをよく見かける。また、自転車レンタルの看板を掲げた商店(ワルン)や「ホームステイ」の看板を掲げた宿泊施設が点在していた。スマホのアプリで調べたら宿泊料は25万~70万ルピアぐらいだった。
島を散策するのに自転車を借りることにした。レンタルショップの主人に聞くと、料金は1回2万5000ルピアという。自転車に乗って島を散策した。住民にこの先は行き止まりになっていないかと尋ねながら進んだ。
自転車をこぎ出して10分もしないうちにビーチを指す看板を見つけた。前方は「パシール・プラワン」、右手は「タンジュンレンゲ」。右手の看板の方へ進んだ。草むらを15分ほど進むと殺風景なビーチがあった。海辺にはマングローブの木が見える。団体客が来ていた。尋ねるとジャカルタから来たという。
来た道を戻り、もう一つのビーチ「パシール・プラワン」に向かった。サーフボードとエイの像があり、観光客もいた。自転車を置いて、海辺へと足を進めた。海水の冷たさが心地よかった。
散策を再開したら、国家研究イノベーション庁(BRIN)の施設を見つけた。警備員に聞くと4年前に建てられたが、まだ使用されたことはないという。施設近くにはヒトデが目印のビーチ「パンタイ・ビンタン」があった。ここでは駐輪代として2000ルピアを徴収された。
この島では、スマホでゲームをしている子どもは見なかった。子どもたちは海辺で遊んでいるか、自転車に乗っているか、ビー玉で遊んでいた。(坂田恵愛、写真も)