年代物を現代風にアレンジ 戸津薫子さんが発表 世界バティック・サミット

 中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で二日まで開催されている世界バティック・サミットの一環で、二十九日、現代のバティックをテーマにした国内外十人のデザイナーによるファッションショーが行われた。日本からは戸津薫子(かおる)さんが「KAORU」として参加し、バティック本来の美しさを生かした年代物のバティックを使った衣装十点を披露した。
 インドネシアの著名デザイナーらは、斬新なデザイン、モチーフ、色の作品を発表。シルクの透明感を生かしたデザインのラムリ、美しいグラデーションのバティックを扱うパラン・クンチャナ、スワロフスキーを使った上海のル・クンなどが、きらびやかなデザインの衣装を披露した。
 薫子さんは、八月初めに今回のサミットで発表する作品の製作を開始。バティックがユネスコによって無形文化遺産に認定されたことを祝う意味を込め、各地に伝わるものや、中国や日本の影響を受けた年代物のバティックを使い、本来の魅力を表現したいと考えた。
 薫子さんや夫の戸津正勝教授(国士舘大学政経学部)が集めた三千点を超えるバティック・コレクションの中から一枚ずつ手にとり、「どんなデザインがいいか、ふさわしいか」をバティックと向かい合いながら、ひらめいたものを作品にしたという。
 一九〇〇年代に作られ、本来は博物館などで展示されるバティックを使用。ジョクジャカルタ、ソロ、プカロガン、チルボンなど、各地域の古いバティックは、現代風の形のミニスカートワンピース、ロングブラウス、ロングスカートなどに姿を変え、観衆の目を引いた。
■日本でも作品紹介
 薫子さんは、東京・町田市のギャラリー「更紗館」のオーナーとして、バティックの魅力を伝えている。同時に、日本に留学したインドネシア人や日本人のバティック愛好家が、日本でも「ちょっとしたおしゃれ着」として着ることができるバティック・デザインを考案し、百貨店やギャラリーで展示会を行っている。

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