どうする?夏休みの自由研究 (57)

 「毎年、子どもの夏休みの自由研究の宿題に親子で苦戦しています。今年こそ早く済ませようと声をかけますが、全く取り組もうとしません」
 大勢のお母さまたちが、お子さんが自主的に夏休みの宿題に取り組んでくれたら、と願っていることでしょう。特に自由研究は創意工夫と時間が必要なので、心配でヤキモキされることでしょう。
 この時、大抵の親は過去の失敗を例に「夏休みの終わり頃になると大変だから、早く始めなさい」と諭しがちですが、子どもにしてみるとどうでしょう。過去の嫌なイメージが呼び起こされ、苦手意識を感じれば先延ばしたくもなりますよね。無理に始めようとしてもアイディアは湧かず、全くはかどりません。下手に親が手伝うと、子どもに自分一人ではできないと思い込ませるようなもので、ますます一人ではしなくなります。
 では、どうして自由研究は難しいのでしょうか。それは選択が必要だからです。一つの課題を選ぶことは、他は全部選ばないと決めることです。何をテーマにするかに始まり、研究プロセス、結論のまとめまで、選択して決定することが山ほどあります。誰がやっても答えが同じになる他の宿題とは異なり、選択することは大人でも難しいものです。
 自由研究の意義は「選択」の自由さを知り、その喜びを表現することだと思います。自分でテーマを選び、自分のやり方で研究を進め、最後に何かメッセージを伝えられたら、素晴らしいと思いませんか。
 テーマ選びができれば、自由研究は半分できたようなものです。苦戦するのは、外に目を向けてテーマを探してしまうからです。親は、子どもが視野を広げ、新しいことにチャレンジして欲しいと思いがちですが、昆虫が好きなら、毎年昆虫に関わるテーマでOKです。違うテーマを探そうとするから迷走してしまうのです。お子さんの好きなことに徹し、それをテーマに自由研究を進める方が、「何故だろう」の疑問や「こうしたらこうなるかも」の仮説が湧き、実験の工夫も思いつくなど創造力を働かせることができます。時間も労力もかけずに、楽しみながら、個性輝くオンリーワンの自由研究が仕上がることでしょう。(コミュニケーション専門カウンセラー 高﨑美佳)
 本稿へのご質問などは、カウンセリングルーム「ミカモーレ」(fc.mikamour@gmail.com)まで。

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