五感で感じるバリ観光経済 バイクで巡る マスク未着用の観光客?

 マスク着用義務を守らない外国人観光客が町を堂々と歩き、地元住民は困惑している。こんなタイ発のニュースを見た。バリ州でも3月から、海外からの渡航者に対する隔離免除と到着ビザ(VOA)の発給再開が始まっている。外国人観光客の増加に期待がかかる一方、バリでもタイと同じ様なことが起きているのではないか。デンパサール市内を中心にバイクで巡った。  

 記者がバリを訪れたのは2月下旬。1月にも訪れる機会があったが、ングラライ国際空港(デンパサール市)の利用者を見比べるとざっと2~3倍に膨れ上がっている。到着早々、観光経済が動き出しているのを感じた。
 ただ、現実は甘くなかった。夕方ごろ、デンパサール西岸のクタビーチを覗いてみると閑散としている。コロナ禍前の2019年7月、同ビーチはココナッツジュースやビールを片手にサンセットを眺める国内外の観光客で埋め尽くされていた。当時の光景が脳裏に焼き付いていたが、現状は退屈そうにする商人の姿が目立つばかりだった。
 「空港に人がたくさんいたのにありえない」。そう思い、クタとは反対側のデンパサール東岸に広がるサヌールビーチへ行くと勘が当たった。ビーチでは焼きトウモロコシを食べる人、海水浴や釣りを楽しむ人、ランニングで汗を流す人などたくさんの観光客や地元住民がいる。
 そしてビーチや市街で外国人観光客を観察してみると、そのほとんどがマスクを着用していた。レンタルバイクショップのカデさん(45)によると、地元警察がマスクを付けていない観光客を厳しく取り締まっているという。
 「バイクに乗る時や町を歩く時は必ずマスクを着用しないとダメよ。鼻がマスクから出ているのもダメ。警官に捕まったら罰金を払う羽目になるわよ」とカデさんはアドバイス。記者は幸いにも、バリ滞在中に警官から指導を受けることはなかった。
 土産物店はどうだろうか。人気観光地周辺の土産物店は案の定、シャッターが下りている店が多かった。もちろん営業している店もぽつりぽつりとある。
 土産物店が軒を連ねるクタビーチを後にし、北上してバドゥン県チャングまで行くと外国人観光客が多いことに気がついた。オープンしたばかりのカフェも何店か見かけ、「バリの観光経済に打撃」といわれる世界とは別の光景が広がっていた。
 ここでカフェを開業したグスタフさん(28)は「メニューはまだ完成していないが、オープンに踏み切った」。カフェの魅力はバリの美しい田園風景を眺めながらコーヒーやビールが飲めること。予定より2カ月前倒しで店を開け、観光客の増加に期待しているようだ。
 「保健プロトコルを順守しない外国人観光客が地元住民を困惑させていた」。タイのニュースで抱いたこんな心配は杞憂に終わった。しかし、政府は入国規制を緩和し続けており、今後も外国人観光客の増加が見込まれる。観光客の呼び込みが感染爆発の引き金にならず、経済復興に繋がることを願いたい。(長田陸、写真も)

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