コロナ禍で食に新たなトレンド 料理が結ぶ日イ友情を BSD

 コロナ禍に揺れた2021年が幕を閉じようとしている。この2年で私たちの生活様式は大きく様変わりし、息苦しい日々が続く。けれど、神が与えた試練と考えれば、新たな挑戦の時代とも言えるはず。インドネシアに浸透した日本食文化も、コロナ禍を逆手にとって進化を遂げようとしている。その一端をバンテン州南タンゲランにある和式夜市の様子から報告したい。 

 「PPKM(緊急活動制限)でモールの営業時間が制限され、廃業に追い込まれた飲食店がある。だが、経営者には雇用を守る責任もある。時代は何を求めているのか。顧客ニーズはどこにあるか。考えた末に出した結論が『テラス・ジャパン』。家族や友だちとの一時を楽しむ笑顔が戻ってきた」
 イオンモールで餃子の販売を手がけてきたテラス・ジャパンのロニー・パーツ社長は当初、軸足を本業の焼肉店に移そうとした。だが、店内飲食が認められず、客足は遠のくばかり。苦悩する日々が続いた。転機は感染者数が減少に転じた9月。政府は規制緩和を決断し、ロニーさんは「手応えを感じ始めた」。
 「コロナ前には戻れない。感染を恐れる利用者の警戒心は簡単には解けないから。ならば、閉じ込められた店内ではなく、アウトドアならどうか。大当たりした」
 30軒ほどの飲食店が並ぶテラス・ジャパンは、中間層を狙った料理店街。店舗前にある広場に仮設の飲食エリアを設け、店内と同じ料理を屋外で楽しめるようにした。ロニーさんとしては、カキリマ(移動式屋台)の世界に日本の料理文化を持ち込んだわけだ。
 ロニーさんのこだわりは「日本の焼肉」。タレの研究もあるが、器は日本から取り寄せ、料理の見せ方にも工夫を加えて、カキリマの夜市にはない「本物感」を目指している。
 利用者の反応はどうだろう。南ジャカルタから来たインダさん(29)は「もはや常連。日本の音楽を聴きながら美味しい料理を楽しむのはお約束の週末イベントなの」。
 地元、南タンゲランに住むヘンドラさん(35)も「日本の味がコロナ禍を忘れさせてくれる。それでいてきちんとルールを守り、安心感がある」と屋外で楽しむ夕食にご満悦だ。
 コロナ禍で生まれた新たなトレンド——。日イの食の融合は「いつか日本へ。料理が結ぶ日本とインドネシアの友情を実現したい」。ロニーさんの夢は膨らむ。(センディ・ラマ、写真も)

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